2011 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャル・キャピタルが抑うつに及ぼす影響に関する実証研究
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23790693
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
濱野 強 島根大学, プロジェクト研究推進機構, 講師 (80410257)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交流 / スウェーデン |
Research Abstract |
近年、「ソーシャル・キャピタルと抑うつの関連性の探求」という学術的潮流が提起されており、両者間の関係性が実証的に明らかにされてきた。研究代表者もこれまでソーシャル・キャピタルとこころの健康に関して明らかにするとともに、ストレスに依拠するメカニズムを提唱してきた。そうした背景のなかで当該研究課題における最新の論点は、ソーシャル・キャピタルと他の変数との関連(組み合わせ)に基づき抑うつに及ぼす影響を実証的に検証することである。そこで本研究においては、疫学調査に基づき「ソーシャル・キャピタルと社会的サポートの交互作用が抑うつに及ぼす影響」についてマルチレベル分析に基づき明らかにすることを目的とした。当該年度では、疫学調査を実施するための研究デザインの検討、及び調査票の検討を行った。具体的には、諸外国、及びわが国のソーシャル・キャピタルと健康に関する実証研究に関して系統的にレビューを試み、最新の研究成果のトレンドを把握するとともに、研究において用いられている地理的空間の設定に関して検討を行った。さらには、主観的な指標に変わるソーシャル・キャピタルの客観的な測定手法に関して検討を行った。以上の研究成果は、ソーシャル・キャピタルとこころの健康を取り巻く研究の現状と課題を浮き彫りにするとともに、先行研究で指摘されてきたソーシャル・キャピタルの測定手法に関する議論を実践的な視座より前進させるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、「ソーシャル・キャピタルと社会的サポートの交互作用が抑うつに及ぼす影響」についてマルチレベル分析に基づき明らかにすること」である。その中で、現在においては、解析を実施するためのデータ構築に関して検討しており、当初の予定通りの目的が達成できることが見込まれている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的を達成するためのデータ構築と解析を行い、得られた知見を学会や学術誌において発表することを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰越研究費が生じた理由は、主に調査票の確定に時間を要した点が挙げられる。そこで、翌年度は、作成した調査票を踏まえてデータを構築し、翌年度に請求する研究費を活用して研究成果の取りまとめと報告を実施する予定である。
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Research Products
(4 results)