2012 Fiscal Year Research-status Report
病院経営における意志決定システムの検討-EBM(根拠に基づく経営)の実践へ-
Project/Area Number |
23790695
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村上 玄樹 広島大学, その他の研究科, 助教 (50549756)
|
Keywords | 病院経営管理学 / 医療情報学 |
Research Abstract |
研究協力病院において、患者満足度調査および職員の意識調査を実施し、その集計が終了した。次年度に実施する初年度および2年目の結果から改善策の効果の分析そしてさらなる改善策の策定を行うための、準備が整った。特に、研究協力先病院において、毎月開催している委員会においても、改善活動の効果的な改善が続けられており、本研究を下地とした病院の改善活動が進行中である。 また、研究代表者の所属先である広島大学病院で実施している、院内がん登録データを活用しての患者の分布や医療におけるマーケティング的な分析も並行して行い、こちらについても病院内における分析結果として、各診療科、部署において閲覧され、今後の診療や院外における検診業務の重点地域の検討などに活用されている。 上記のように、今まで実施されてこなかった業務上の意思決定において活用されるデータの提供を行った。 今後は、こうしたデータの使用上の改善についての分析なども行い、より良い病院保有の医療データに関する提供の在り方について検討をしていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力病院での患者満足度調査の実施やその改善の委員会などを通じ、現状の問題点について洗い出し、そのデータをもとに改善策を現場主導で実施した。また、実施後の確認としての患者満足度調査も行い、前後比較が可能な状態となった。 昨年度の遅れていた調査後の改善策の提案などについても、年度前半に終了し、改善策の実施まで行い、当初の計画通りの段階まで、進捗している。 特に、研究協力先の病院では、来年度に病院機能評価の受診が控えており、そのための準備にも、今回の研究成果の一部が活用されることとなった。そのために、当初の計画における進捗管理に沿った、達成度になり得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回の結果を踏まえ、改善策の効果の分析、さらに改善策実施の意思決定へのデータの影響度を確認し、今後現場で必要な情報の内容、表示方法を検討する。また、さらに病院全体での意思決定や病院管理者の意思決定に必要なデータの内容や表示方法の検討も同時に行い、病院業務の意思決定レベルの違いによる、提供すべきデータ、情報の内容や表示方法の案を提案し、病院医療情報の有効的な活用に資するためのデータの一覧や表示のひな型などの提案に向けての準備が行えるまで進めることを検討している。 特に、来年度から研究代表者が異動し、病院の医療情報部に勤務となり、より医療情報や病院の経営・企画に関わることとなり、自施設においても本研究が活用可能となる立場になるため、日々の業務も含め、本研究の遂行につなげるつもりである。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の調査結果の分析に伴う、システムの整備費や消耗品費およびさらなる改善活動や継続的な病院の調査のための費用が必要となる。 また、今回の調査分析の結果から判明した、研究協力先病院の問題解決に対するアドバイスや先進的な取り組みを行っている医療機関、大学からの講師の招聘を行い、病院職員に対する改善への取り組みに関しての研修会の開催などを計画している。この研修会は病院の業務改善ではあるが、本研究の内容に関しても理解があり、医療情報の分析などについても知識を有している研究協力者の招聘を検討しているため、本研究費での負担が相応であると考えている。 さらに、今後は研究代表者の異動に伴い、研究協力先病院への訪問のための出張費が発生する。また、研究成果の発表のための複数の学会、情報収集としての学会参加等の出張費が必要となる。
|