2012 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病患者の嚥下障害に対する非運動性症状の影響
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23790696
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
韓 萌 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80404771)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究は日本国内で共同実施する断面調査と3年間の前向き追跡調査を予定している。初年度には断面調査によりPD患者の非運動性症状と嚥下障害の保有状況を調べた。さらに3年間の前向き追跡調査により、それぞれの非運動性症状の重症度と嚥下障害の重症度の変化、および嚥下障害の保有頻度を明らかにし、その相互間での影響要因を検討することを目的としている。 本研究の断面調査は5種類の調査票により初年度から3年目まで実施し、抑欝、不安、認知症、睡眠障害の非運動症状と嚥下障害保有率の調査を行う。追跡調査は断面調査開始後3ヶ月以内の登録患者を対象に、初期登録時での各非運動性症状と嚥下障害の有無とその重症度を確認するとともに、以後3年間計3回の追跡を行い、断面調査と同一の調査票により各症状の変化を確認する。なお、嚥下障害の確認評価のために、1割の追跡対象患者には画像診断を実施している。対象を非運動性症状の有無で2群に分け、嚥下障害の発生・進展率あるいは肺炎の発生率を比較検討し、Cox比例ハザードモデルにより非運動性症状あり群のなし群に対するハザード比を求める。今年度は調査の展開とこれまでに蓄積したデータの処理を中心に行った。また日本摂食・嚥下リハビリテーション学会、日本疫学会等で研究中間発表を通じて、これまでの研究結果と今後の方法性を含めて、検討を積み重ねた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は調査の展開とデータの蓄積が主な実施内容であった。昨年度に続き、研究システムの構築においては、山口大学医学部附属病院臨床試験支援センターの支援を受け、山口大学医学部附属病院神経内科、札幌山の上病院の他、さらに山口県光市の民間病院の協力も得られた。このため、昨年度に比べ患者数に若干の増加が見られ、蓄積されたデータの処理結果からは、研究仮説に近い傾向が得られた。また、現在の研究結果を用いて、学会の発表なども積極的に参加している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も継続的に対象患者を募集しながら調査を展開させていく予定。また、登録患者の数は追跡調査の実施に影響を及ぼすため、追跡研究を準備するとともに断面調査の実施と本研究課題に関連する追加補助調査も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費は断面・追跡調査と患者の継続募集の費用として利用し、この他に、本学および協力研究機構の実地調査と結果分析、及び研究打ち合わせ、学会参加と発表、さらに調査用消耗品と患者・施設用謝礼品等の購入に利用していく予定である。今年度は研究対象者が予定していた対象者数より少なかったため、その分の調査費に未使用額が生じた。この未使用額については平成25年度の調査費に充填する。
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Research Products
(3 results)