2012 Fiscal Year Annual Research Report
市民の新興感染症予防に関する知識、態度、行動の現状と不安との関連に関する疫学研究
Project/Area Number |
23790705
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
和田 耕治 北里大学, 医学部, 准教授 (30453517)
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Keywords | インフルエンザ / 予防接種 / マスク / 行動 / 認識 / 知識 |
Research Abstract |
本研究の目的は、新型インフルエンザを例としながら、わが国の市民の新興感染症の予防などに関する知識、態度、行動の現状かを明らかにすることであった。これらの結果をもとに、戦略的なコミュニケーションや効果的な公衆衛生対応のあり方を示すことをめざした。 平成23年度は、感染症に関する知識、態度、行動、不安に関する調査を行った。約3000人のデータを確保し、解析を進めた。平成24年度は3本の原著論文を執筆し、現段階では2本が受理された。受理された論文においては、以下のことが示された。 インフルエンザ流行時に人混みでマスクを装着する人は3割であったが、マスクを装着しない人と比較して手洗い、うがい、ワクチン接種などのその他の予防行動も有意に行う傾向にあった。新感染症流行時に予防行動を推奨する際の参考となるエビデンスが得られた。 またインフルエンザワクチン接種に関連する要因を示した。昨年度インフルエンザワクチンを接種したかがもっとも有意な関連を持っており、平時からのインフルエンザワクチン接種の重要性が改めて理解された。現在査読中の論文では、インフルエンザワクチン接種を行った理由と行わなかった理由について明らかにした。年代や性別によってその背景は異なることが示された。男性の働き世代では、時間がないが最も多かったが、女性では費用は副反応の心配があげられた。年代や性別に応じたコミュニケーションが必要であることが示された。これらの結果は、今後起こりうる新型インフルエンザやその他の感染症が流行した際の個人の行動への介入のあり方を検討する際に貢献することができると考えている。
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Research Products
(2 results)