2011 Fiscal Year Research-status Report
パーソナリティが食行動、および将来の身体的健康にどのような影響を及ぼすのか
Project/Area Number |
23790718
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
坪田 恵 (宇津木 恵) 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 栄養疫学研究部, 研究員 (20419998)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 社会心理的因子 / 高齢者 / 身体機能 / 生活習慣 / 健康行動 / 食行動 |
Research Abstract |
効果的な健康教育・指導を行う為には、対象者の生活習慣の把握だけでなく、環境や個性などを鑑み包括的な取り組みを行うことが求められる。本研究は「地域在宅高齢者の個人の性格=パーソナリティが健康行動、食行動、および将来の身体的健康にどのような影響を及ぼすのか」について明らかにすることを目的として研究を行った。 対象は、1986年より岩手県花巻市(旧 大迫町)において実施されている大規模コホート「大迫研究」のうちベースライン時60歳以上の地域在住高齢者である。パーソナリティーの検討には、妥当性・信頼性の検討されたEysenck Personality Questionnaire-Revised日本語版(EPQ-R)を用いた。健康意識・健康行動には、主観的健康感、食行動・食習慣、飲酒、運動、喫煙習慣等を設問、食事摂取状況の把握には詳細な食事摂取頻度調査票を用いた。今年度は、ベースライン時の調査データを用い、「地域在住高齢者の「非協調性」「外向性」「神経症」の個々のパーソナリティが、健康行動、食行動、および食品選択とどのような関連があるか」についての横断的検討を行った。 その結果、(1)「非協調性」傾向が高い:高齢、男性、現在も喫煙、現在も飲酒、長時間睡眠、運動をしていない、心疾患既往、身体機能低下者が多い、(2)「外向性」傾向が高い:男性、喫煙・飲酒習慣がない、主観的健康観が高い、規則的に食事をとっている者が多い、(3)「神経症」傾向が高い:男性、短時間睡眠、主観的健康観が低い者が多い、ことが明らかとなった。一方、食事摂取との関連では、特にタンパク質、脂質摂取量が、「非協調性」・「神経症」傾向においては得点が高くなるほど減り、「外向性」傾向では得点が高くなるほど増える傾向が認められた。 次年度は、今年度に引き続きそれぞれの因子間の関わりを含む詳細な分析を実施、報告を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は順調な滑り出しではあったものの、後半から妊娠により中断を余儀なくされ、全体としてはおおむね順調な進展となった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は前半が産前・産後休暇を挟むため、今年度と合わせた研究を進める予定である。また、当初次年度予定していた研究内容に関しては、産後、研究期間の延長を行い、その次の年度の研究内容として分析・報告を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、妊娠により国内外への報告までには至らなかったため、次年度は今年度の研究費を用い、国内外の学会や論文報告等を行う予定である。
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Research Products
(3 results)