2012 Fiscal Year Research-status Report
パーソナリティが食行動、および将来の身体的健康にどのような影響を及ぼすのか
Project/Area Number |
23790718
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
坪田 恵(宇津木恵) 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 栄養疫学研究部, 研究員 (20419998)
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Keywords | パーソナリティ / 協調性 / 外向性 / 生活習慣 / 食習慣 |
Research Abstract |
効果的な健康教育・指導を行う為には、対象者の生活習慣の把握だけでなく、環境や個性などを鑑み包括的な取り組みを行うことが求められる。本研究は「地域在宅高齢者の個人の性格=パーソナリティが健康行動、食行動、および将来の身体的健康にどのような影 響を及ぼすのか」について明らかにすることを目的として研究を行った。 対象は、1986年より岩手県花巻市(旧 大迫町)において実施されている大規模コホート「大迫研究」のうちベースライン時60歳以上の地域在住高齢者である。パーソナリティーの検討には、妥当性・信頼性の検討されたEysenck Personality Questionnaire-Revised日本語版(EPQ-R)を用いた。健康意識・健康行動には、主観的健康感、食行動・食習慣、飲酒、運動、喫煙習慣等を設問、食事摂取状況の把握には詳細な食事摂取頻度調査票を用いた。産休により中断、平成24年度研究再開後は、平成23年度の研究を継続、「非協調性」「外向性傾向」「神経症傾向」のパーソナリティーが、健康行動、中でも朝食欠食、間食、夜食に関する食行動や、食事摂取頻度調査(Tsubono Y, 2001)を算出された栄養・食品摂取とどのような関連があるのかについて、検討を継続してきた。 一方、種々のパーソナリティーにおける健康行動が、将来の身体的健康にどのような影響を及ぼすかについて、最終的なアウトカムである身体的健康とどのように関わるかについて、健康障害としては比較的早期に現れる「高次生活機能低下」との関連を見たところ、「非協調性」傾向が高い者、ならびに「外向性」傾向が低い者において7年後の高次生活機能低下と有意な関連が認められた。先の検討からこれらパーソナリティーは、不健康な生活習慣を送っている者が多いことからも、適切かつ効果的な指導を行う上で、重要な一指標となりうる可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は産休による中断から始まったものの、本研究の全体としては予定通り(年度計画以上)の進展となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は2年計画であったが、産前・産後休暇を挟んだため、期間延長をおこない3年計画となった。 中断はあったものの、全て計画通りの順調な進展であった。次年度は研究の総括とともに、国内外の報告を重視した取り組みを行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初2年目に使用予定だった研究費を用い、国内外の学会、雑誌への発信を進める。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Aldosterone-to-renin ratio as a predictor of stroke under conditions of high sodium intake: the Ohasama study.2012
Author(s)
M Satoh, M Kikuya, T Ohkubo, T Mori, H Metoki, A Hara, M Tsubota-Utsugi, T Hashimoto, T Hirose, T Obara, R Inoue, K Asayama, A Kanno, K Totsune, H Hoshi, H Satoh, Y Imai.
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Journal Title
Am J Hypertens.
Volume: 25
Pages: 777-783
Peer Reviewed
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