2011 Fiscal Year Research-status Report
測色値や解剖所見を用いた死後経過時間推定式の精度向上
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23790724
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
臼元 洋介 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50596822)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | postmortem interval / postmortem lividity / spectrophotometer / organ weight / image analysis |
Research Abstract |
(1)測色について 死斑と血液の色を客観的に評価、保存するために、測色計で両試料の測色を行っている。平成23年度に行われた解剖では、計測可能なものは計測するという方針で、36例の死斑および52例の血液の測色を行った(重複あり、死斑もしくは血液の測色を行ったのは57例)。測色はL*a*b*系を用いて行っており、このL*、a*、b*値と死後経過時間の相関を調べたところ(死後経過時間が不正確なもの、両側死斑などは除外)、死斑のa*は死後時間の経過とともに上昇する傾向がみられた(p = 0.0006、自由度調整R2乗 = 0.50)。また大腿血のL*、a*、b*はそれぞれ死後時間の経過とともに低下する傾向がみられた(p = 0.0231・自由度調整R2乗 = 0.15、p = 0.0056・自由度調整R2乗 = 0.23、p = 0.0067・自由度調整R2乗 = 0.22)。左心血、右心血ではこのような傾向はみられなかった。左心血・右心血・大腿血のL*、a*、b*の相関を確認したところ、左心血と右心血のL*同士、a*同士、b*同士、右心血と大腿血のL*同士、a*同士、b*同士には、r = 0.6以上の相関がみられたが、左心血と大腿血のL*同士、a*同士、b*同士にはこのような相関がみられなかった。左心血、右心血、大腿血でなぜこのような違いが生じるのか、事例の追加と検討が必要である。(2)臓器重量について 臓器重量については、当教室で過去に行った解剖事例のデータの入力作業を行った。(3)病理組織学的データについて 病理組織学的データについては事例の蓄積を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
死後経過時間が不正確であったり、死後解剖になるまでの間冷蔵庫に保管されていなかったりといった除外事例が多数みられるものの、継続的に死斑、血液の測色が行えている。また、臓器重量の検討のための以前の解剖事例のデータ入力、病理組織学的検査も適宜行っている。これらから、事例の蓄積については順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も死斑および血液の測色、解剖事例のデータ入力、病理組織学的検査を行う。 (1)測色値については、本研究以前のデータもあわせ、統計学的な検討を行う。 (2)臓器重量の検討について、事例の蓄積が進み次第、統計学的な検討を行う。 (3)病理組織学的検査の画像の数値化について、画像解析の手法やプログラミングについて検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
統計解析用の64bit PC、データ保存用のHDDやUSBメモリなど、また、統計や画像解析についての書籍の購入を予定している。
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