2012 Fiscal Year Annual Research Report
測色値や解剖所見を用いた死後経過時間推定式の精度向上
Project/Area Number |
23790724
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
臼元 洋介 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50596822)
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Keywords | postmortem interval / postmortem lividity / spectrophotometer / organ weight / image analysis |
Research Abstract |
死後経過時間と以下の項目について検討を行った。(1)測色について 死斑と血液の色を客観的に評価、保存するために、測色計を用いて計測を行った。平成23年度の結果とあわせ、96例の死斑および107例の血液の測色を行い、いずれかの測色を行ったのは125例であった。測色はL*a*b*系を用いて行い、測色値や解剖所見による死後経過時間推定式を変数増減によるstepwise法を用いて作成した。結果、推定死後経過時間 = 9.36±5.97×寒冷ありなし±7.66×蘇生ありなし+2.75×死斑a* であり、自由度調整R2乗は0.51であった。推定精度の向上のため、説明変数の検討と事例の蓄積が必要である。(2)臓器重量について 当教室で過去に行った解剖例のうち、臓器重量が測定可能、推定される死後経過時間に大きな幅がない例等391例について、以下の検討を行った。まず、臓器重量は概ねlog(BSA)と高い相関を示した(自由度調整R2乗 = 0.7~0.9)。性別、log(年齢)、log(BSA)を用いて臓器重量を推定する式を作成したところ、自由度調整R2乗は0.7~0.9とよい相関を示した。さらに死後経過時間を説明変数として追加したところ、わずかながら精度が上昇した。死後経過時間を臓器重量で推定する式を作成したが、自由度調整R2乗が0.267と実用的とはいえない結果となった。今後さらなる検討が必要である。(3)病理組織学的データについて 画像の蓄積を行い、蓄積した画像に対して処理を行うプログラムについて検討を行ったが、若干の知見は得たものの、実務に応用できるレベルにまでは達しなかったことから、今後も画像の蓄積およびプログラムの検討が必要である。
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