2012 Fiscal Year Research-status Report
介護ストレス症候群の治療・介入によるバイオマーカーの変化の検討
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23790738
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
亀山 祐美 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60505882)
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Keywords | 介護ストレス症候群 / 介護うつ病 / 老老介護 / 認知症 / 介護サービス / バイオマーカー |
Research Abstract |
平成23年・24年は、平成21-22年に実施した32組(2名死亡)の老老介護中の認知症患者と介護者の介護ストレスの追跡調査を行った。年1回患者の心理検査・介護家族の心理検査、月1回の外来ごとに検査負担の少ない、唾液アミラーゼによるストレス評価を行い、認知症進行の程度や介護サービスの変更による介護者ストレスの変化を追っている。現在、データの解析を行っている。 認知症治療薬は、10年来ドネペジル塩酸塩だけであったが、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル塩酸塩、ガランタミン、リバスチグミン)、NMDA 受容体拮抗薬(メマンチン)が承認され、認知症治療の選択肢が広がった。平成24年度は、これらの治療薬の開始時、増量時、変更時の介護ストレスの変化の調査を行っている。患者のADLの変化、認知症に伴う行動・心理症状(BPSD;(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)の変化とストレスとの関係を経時的に調査している。 平成21-22年度の調査のサブ解析を行い、うつ評価であるGDS(Geriatric depression scale)やZarit介護負担感・心理検査のデータから、男性介護者は妻の認知症が進行すると介護負担・うつ・不安が増えるが、女性介護者は夫の認知症初期から介護負担大きく、逆に進行するとうつや敵意が減ることがわかった。このように、介護ストレスには性差があり、それを考慮した介護支援が望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
配偶者介護群50組、子供介護群50組を研究対象と予定していたが、子供介護群は、子供さんが仕事をしていて平日に調査協力することが難しく、嫁は勝手に研究に参加できない、などの理由で、10組しか協力がいない。思うように研究参加者が集まらず、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
患者、家族に気分の日記をつけてもらい、アミラーゼモニターを貸出し、ディサービスのある日とない日の唾液アミラーゼの測定をしていただき、介護サービスによるストレス変化を外来患者にて調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
検体検査、唾液アミラーゼモニター測定、唾液クロモグラニンA、IgA測定(外注)が主で、心理検査施行・採点のための人件費の使用予定がある。
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Research Products
(1 results)