2014 Fiscal Year Annual Research Report
禁煙後に生じる体重増加と便秘の解明:下部消化管運動能や安静時代謝量からの分析
Project/Area Number |
23790746
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
門田 耕一郎 長崎大学, 保健・医療推進センター, 助教 (40549458)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 禁煙 / タバコ / 体重 / 消化管運動 / 小腸運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
喫煙者が禁煙後に一時的な体重増加や便秘が認められることが知られている。しかしそのメカニズムについては未だ一定の見解がない。今回我々は、禁煙後に下部消化管(小腸)運動が変化することにより体重増加や便秘が生じるのではないかと仮説を立てた。同意を得た禁煙を希望する喫煙者に、喫煙時と禁煙治療終了後に身体測定や呼気水素試験により小腸通過時間を測定し、禁煙前後での変化について調べた。また、同意を得た未喫煙者にも同様の測定・試験を行い、比較検討した。 喫煙者25人において検査を行った。その後、禁煙治療を行い禁煙治療を終了した16人に禁煙治療後の検査を行った。同16人は全員、禁煙に成功した。禁煙後の検査を行った16人は、平均年齢:43.9±16.2歳、禁煙前の体重:71.7±15.3Kg、BMI:24.7±3.6、下部消化管運動能を示すk:0.047±0.26、t1/2ex:21.74±42.58であった。禁煙後は体重:72.7±15.6Kg、BMI:25.1±3.7、k:0.244±0.421、t1/2ex:12.72±18.17であった。禁煙前後で体重(p=0.0003)とBMI(p=0.0004)は有意差が認められた、k値はp=0.06と有意な傾向は認めれたがt1/2ex値は有意差が認められなかった。このことから、禁煙後に明らかな体重増加は認められたが、小腸運動の明らかな変化は認められなかった。また、未喫煙者19人の体重:62.8±11.1Kg、BMI:24.4±2.9、K:-0.07±0.43、t1/2ex:23.1±59.8であった。喫煙者25人と未喫煙者19人とで、体重・BMI・k値・1/2texは有意差がなく、喫煙の有無により小腸運動に差はないことが示された。 本研究の結果より、禁煙後の体重増加や便秘には小腸運動は関係がないことが示された。
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