2011 Fiscal Year Research-status Report
非アルコール性脂肪性肝炎モデルマウスに対する漢方薬の効果
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23790753
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
高橋 芳久 帝京大学, 医学部, 准教授 (70334381)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪性肝炎 / 漢方薬 |
Research Abstract |
平成23年度においては、本実験で使用する動物、飼料、実験期間を決定するための予備実験を実施した。8週齢、雄のSprague-Dawleyラットおよびdb/dbマウスにオリエンタル酵母社製のコントロール食、メチオニン・コリン欠乏(MCD)食、高脂肪(HF)食を4週間および8週間自由摂食させた後に屠殺し、血清学的検査と肝組織像の観察を行った。その結果、Sprague-Dawleyラットでは、コントロール食では4週後、8週後とも肝臓に著変は見られなかった。MCD食では、4週後、8週後とも明瞭な非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の所見が認められた。HF食では、4週後、8週後とも明らかなNASHの所見は認められなかった。db/dbマウスでは、コントロール食では4週後、8週後とも肝臓に脂肪化は見られるが、明らかな壊死炎症反応は伴っていなかった。MCD食およびHF食では、4週後、8週後ともに明瞭なNASHの所見が認められた。なお、MCD食では大滴性の脂肪化が目立つのに対し、HF食では小滴性の脂肪化が目立った。以上の予備実験の結果をふまえて、平成24年度に行う本実験の方針がおおむね定まった。なお、平成23年度中に、本実験で用いる漢方薬の作製を依頼するツムラ、実験動物の提供と特注飼料の作製を依頼するオリエンタル酵母、さらに実験を行う帝京大学医学部中央動物施設の担当者に実験計画を十分伝え、平成24年度にスムーズに本実験に入る手はずが整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書は、予備実験を行わずにいきなり本実験を始めるものとして記載した。しかし、MCD食やHF食で明瞭なNASHが誘導出来ない場合には失敗実験になってしまうため、慎重を期して平成23年度には上記の様な予備実験を実施した。予備実験で上記の様な結果が得られたため、平成24年度にスムーズに本実験に入る手はずが整った。
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Strategy for Future Research Activity |
予備実験の結果をふまえ、平成24年度に行う本実験では、動物はdb/dbマウスを使用する。オリエンタル酵母社製のMCD食、HF食に漢方薬(小柴胡湯、茵陳蒿湯、十全大補湯、桂枝茯苓丸)を加えた特注飼料を作製し、同マウスに自由摂食させる。実験期間は、予備実験にて4週間で十分にNASHが誘導されることが確認された為、4週間程度と考えている。動物屠殺後は、血清学的解析と肝組織像の観察を行い、さらに肝組織の分子的解析(サイトカインのリアルタイムRT-PCR、ウェスタンブロッティングなど)を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
db/dbマウス、漢方薬、特注飼料の購入費が主な研究費の用途となる。マウス屠殺後の血清学的解析はオリエンタル酵母に外注する。肝臓の組織標本作製、肝組織の分子的解析(リアルタイムRT-PCR、ウェスタンブロッティングなど)のための消耗品費も必要となる。さらに、研究結果の発表のための旅費も必要である。
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