2012 Fiscal Year Annual Research Report
多元的解析モデルを用いたウイルス関連肝癌免疫逃避機構の解明と制御
Project/Area Number |
23790761
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 泰輝 東北大学, 大学病院, 助教 (70455822)
|
Keywords | CX3CL1 / HCC / HBV / HCV / Tregs / NKG2D / NK cell / T cell |
Research Abstract |
【平成24年度】多元的解析モデルにてウイルス相互作用や癌細胞因子とウイルス因子による免疫修飾について解析を加えた。まず、肝癌細胞株にHCV-JFH-1を導入し、各種HBV-genotype plasmid導入を施行することによりウイルス相互作用が生ずるかを検討した。ウイルスの直接作用により相互のウイルス抑制効果はみられなかった。また、免疫細胞が存在しない条件下ではHBVによりIFNのHCV抑制効果は影響を受けなかった。一方患者検体においては、HBV-core抗原特異的IL10産生細胞がHCV特異的な免疫反応も抑制するということが明らかとなった。HCV-Core抗原はT細胞表面に結合することより、T細胞のSTAT-1, T-betシグナルを抑制するということが分かった。これはDFPP治療によりHCV-Core抗原を急激に低下させることによりIFN反応性を向上させることに寄与していることが分かった。 【全体】各種ウイルスの免疫細胞を介した相互作用が確認された。各種HBVジェノタイプ導入により肝癌細胞株から産生されるケモカイン産生パターンは異なることが明らかとなった。特にCX3CL1の産生パターンはジェノタイプ間で統計学的有意に異なりこれによるNK細胞、T細胞遊走浸潤能に影響を与えることが明らかとなった。この遊走浸潤能の差は中和抗体によりなくなることも確認した。in vitroの系のみならず、臨床検体においてもHBV関連肝細胞癌においてCX3CL1の発現が癌細胞でみられ、CX3CL1高発現肝癌においてNK細胞、T細胞が高度に浸潤していることが分かった。HBV肝癌細胞においてHCV肝癌細胞やNBNC肝癌細胞と比較してCX3CL1の発現が有意に高くみられ、このことが、免疫細胞浸潤に影響を与えていることが分かった。また、この浸潤NK細胞のNKG2D発現は抑制されていることも分かった。
|
Research Products
(15 results)