2011 Fiscal Year Research-status Report
次世代シークエンサーを用いたメタゲノム解析による慢性膵炎の病原体候補の探求
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23790764
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
粂 潔 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (30431563)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 膵炎 |
Research Abstract |
膵炎に関連する遺伝子変異としては、これまでトリプシンとその阻害蛋白が報告されているが、これらの遺伝子異常を認めるのは一部の患者であり、遺伝子異常により慢性膵炎の病態のすべてを説明することは困難である。一方、感染性膵炎の原因として報告されている病原体として、ムンプス、コクサッキー、サイトメガロなどのウイルスや、マイコプラズマ、アスペルギルスなどがある。ムンプスウイルスは唾液腺および膵外分泌腺への親和性が高く、またコクサッキーB群ウイルスも膵組織への親和性があるとされる。これらのウイルス感染は主に、一部の稀な急性膵炎症例として報告されており、慢性膵炎との関連については明らかではない。代表的な炎症疾患である慢性胃炎や慢性肝炎の原因が、それぞれピロリ菌や肝炎ウイルスであったように、慢性膵炎についても何らかの感染性微生物が関与している可能性も考えられる。メタゲノムは、さまざまな環境からDNAを一挙に抽出し、その配列をすべて決定することで、その環境中に存在する生物のゲノム情報を一挙に得ようというものである。2005年より市販が開始された次世代シーケンサーは、従来のキャピラリーシークエンサー数百台分のデータ生産量を1台で賄えるとされ、メタゲノム解析への応用が期待される。平成23年度は、この次世代シーケンサーを用いた遺伝子解析を行い、基本となるゲノム配列のリシークエンスを行った。慢性膵炎症例7例を対象にHiseq2000を用いて解析を行い、Total read 12億以上の十分量のデータが得られた。ヒトゲノムreference配列へのマップはいずれも99.54~99.58%と良好であり、配列同定に問題はないと考えられた。今後は慢性膵炎の手術標本もしくは超音波内視鏡下針生検にて採取した膵組織を用い、Hiseq2000によりメタゲノム解析を行い、膵炎と関連する病原体候補を同定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災の影響もあり、年度の前半は研究の遂行が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子解析を専門とする遺伝病学分野、および細胞増殖制御分野の協力を得ながら研究を推進する。平成23年度は東日本大震災により研究することが難しく、未使用の研究費があるため、平成24年度に繰り越して使用する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次世代シークエンサーによる解析費用が主体となる。
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