2011 Fiscal Year Research-status Report
マウスモデルを用いた膵癌に対するmTORとMAPKを標的とした治療法の検討
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23790773
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
毛利 大 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (20582513)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 膵発癌マウスモデル / 分子標的薬 |
Research Abstract |
我々の樹立した膵発癌マウス(遺伝子型Ptf1acre/+;LSL-KrasG12D/+;Tgfbr2flox/flox)は、ヒト膵癌の組織像とよく近似するため、膵癌において単剤では臨床的に使用されていない分子標的薬を使用し、偽薬・単剤および併用と比較することで、その抗腫瘍効果・生存期間の延長効果を検討、作用機序を解明することを目標としている。今回我々はMEK inhibitorとしてCI-1040, mTOR inhibitorとしてRAD001に着目し、preliminaryな実験としてすでに我々のマウスモデルから樹立した癌細胞を用いて投与実験を行い、少数の発癌マウスに対し投与実験を行ったところ、単剤より併用群において正常の腺房構造の残存および腫瘍の増殖抑制効果を認めた。そこで、当該年度においては膵発癌マウスへの投与実験を行うこととした。ジェノタイピングにより遺伝子型を確認した膵発癌マウスをランダムにcontrol群、各単剤群、併用群と分け、各々5日間連続投与、2日休薬とし生後28日目より投与実験を行った。現在まで各群6匹ずつの投与が終わっている。また、同時に蛋白、組織回収のために同様に4群に分け、生後55日目でsacrificeしsampleを回収した。Preliminaryな解析ではあるが、現段階では併用群で最も予後延長効果を示し、免疫染色及びウェスタンブロットにより、各inhibitorが標的とするシグナルの抑制がvivoでも確認されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本実験で最も時間を要すると考えられるvivoでの投与実験は順調に進み、かつそれぞれのinhibitor が標的とするシグナルが抑制されていることが確認された。しかし、本研究の最も核心である詳細な作用機序の解明、特にシグナル間のcross talkについては解明には至っておらず、引き続き詳細な検討と追加実験を要すると考えます。
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Strategy for Future Research Activity |
FACSによる細胞周期の変化やサイトカインアレイを用いた広い範囲での検査やウェスタンブロットを中心とした個々の蛋白発現の確認により、cross talkを解明する。投与実験についてもNの上積みを目指すほか、可能であれば既存の抗癌剤との比較も視野に入れ、ヒト膵癌の新規治療法の開発に貢献することを目標とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・FACS用の試薬・免疫染色及びウェスタンブロットに使用する抗体、メンブレンなどの諸費用・マウスの維持、投与実験にかかる注射器やコニカルチューブなどの雑費・mRNAの解析に使用する試薬類
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