2012 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎の病態と治療効果を規定するmiR-122の発現調節機構の解明
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23790774
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
室山 良介 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (50549459)
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Keywords | microRNA / 発現調節 |
Research Abstract |
肝臓で発現しているmicroRNA(miRNA)の大半を占めるmiR-122は、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製やインターフェロン治療応答性、発癌との関連性が報告されており、その発現調節機構の解明は、HCV感染患者の病態把握・治療の進展などに役立つものと考え、当研究を行った。種々の肝癌細胞を用いた検討により、miR-122の初期転写産物であるpri-miR122の転写量はmiR-122の発現量と相関を認めたため、pri-miR122の転写調節につき検討を行なうこととした。 pri-miR122の転写開始点から上流の領域を種々の長さでReporter plasmidにクローニングし、Luciferase assayにて転写活性を評価したところ、転写開始点から上流200bpまでが高い転写活性を有することが判明した。さらなる検討により、pri-miR122の転写活性に重要な10bpの領域が見出され、同領域の配列を用いたEMSAを施行したところShift bandが認められ、未だ報告のない同領域に結合する転写因子の存在が示唆された。 次に、DNAメチル化に代表されるエピジェネティックな制御を受けている可能性を考え、各種肝癌細胞におけるpri-miR122のプロモータ領域のDNAメチル化を検討した。その結果、pri-miR122の発現量が豊富な細胞株ではDNAメチル化が乏しいのに対し、発現量が低い細胞株ではほぼ完全にメチル化されていることが判明した。脱メチル化処理を行ったところpri-miR122の発現量が低い細胞株に対し脱メチル化処理を行ったところ、濃度依存性にpri-miR-122、ひいてはmiR-122の発現量上昇が認められた。 以上よりpri-miR122の発現調節機構には、転写因子のみならず、DNAメチル化に代表されるエピジェネティックな制御が深く関与していることが示唆された。
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