2012 Fiscal Year Annual Research Report
大腸がんにおける糞便と血清マイクロRNAの変化の検討とその診断への応用
Project/Area Number |
23790788
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
栗山 茂 浜松医科大学, 医学部, 助教 (90596446)
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Keywords | マイクロRNA / 大腸がん / 糞便 |
Research Abstract |
大腸がん組織で発現亢進が報告されているmiR-19a、miR-20a、miR-21、miR-92a、miR-106aについて糞便中の発現を検討した。対象は大腸がん138人との大きさ1㎝以上の進行腺腫26人と健常者126人で、糞便0.5gよりmiRNAを含むtotal RNAを抽出しTaqMan Micro RNA assayを用いてqRT-PCRを行った。また各合成miRNAを用いて検量線を作成しコピー数を算出した。また同一便で単回の免疫学的便潜血法(FOBT)と比較をした。その結果5つのmiRNAの発現は、大腸がん群と進行腺腫でそれぞれコントロール群より有意に発現が亢進していた。それぞれのmiRNAのカットオフ値をコントロールの97.5 percentileに設定すると、miR-19aの感度/特異度は32.6%/97.6%、miR-20aは41.3%/98.4%、miR-21は39.9%/96.8%、miR-92aは44.9%/97.6%、miR-106aは37.7%/99.2%であった。それに対してFOBTは66.7%/98.4%でありそれぞれのmiRNAの感度に比べ有意に高かった。5つのmiRNAを組み合わせると59.8%/92.9%であった。進行腺腫からStageIの早期群ではmiRNA 5マーカーの組み合わせでは感度51.4%に対してFOBT33.3%で、5マーカーを組み合わせたmiRNAの感度が有意に高かった(P=0.03)。StageIIからIVの進行群ではmiRNA 5マーカーで感度66.3%に対してFOBT83.6 %でFOBTの方が有意に高かった(P=0.01)。 以上より糞便中の便中miRNAの発現は大腸がん全体ではFOBTを上回ることが出来なかったが、FOBTの感度が比較的低い早期の腫瘍では、5つのmiRNAの組み合わせが有意に高い感度を得ることができた。
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Research Products
(4 results)