2012 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス感染細胞による形質細胞様樹状細胞活性化機序の解明
Project/Area Number |
23790790
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 健 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60594372)
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Keywords | 肝臓病学 / 免疫学 / ウイルス |
Research Abstract |
本研究では、形質細胞様樹状細胞(pDC)のC型肝炎ウイルス(HCV)感染細胞内ウイルスRNA認識による自然免疫活性化機序を明らかにすることを目的とした。主に研究期間内に、細胞からの分泌小胞であるエクソソームが細胞間情報伝達機能を担うことに着目し、細胞内でHCV RNAを恒常的に複製するHCV レプリコン細胞を用いて、HCVレプリコン細胞から分泌されるHCV RNA含有エクソソームの検討と、エクソソームのpDC刺激によるpDCからのIFN産生の検討を主に行った。また、研究過程において、本研究が対象としているpDCの活性化現象が、NFkappaBの活性化という点で、すなはち、NFkappaB依存性の炎症性サイトカイン産生という点で、従来報告されてきたpDC内のシグナル伝達様式やpDC活性化状態とは大きく異なっているという知見が得られつつある。今後は、この当初予期しなかった研究成果にも着目し研究を行う予定である。申請者らは、研究期間内に次世代シークエンスの実験系をすでに立ち上げており、今後はHCV感染細胞によって活性化されたpDCを分離し、次世代シークエンス技術を用いてpDC内の遺伝子発現状態を網羅的に解析する予定としている。本研究の遂行の結果、HCV感染細胞によるpDCの活性化機序が詳細に明らかとなり、HCV感染における新たな宿主自然免疫応答機序の解明、さらにはC型肝炎に対する新規治療法の開発へつながることが期待される。
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Research Products
(2 results)