2012 Fiscal Year Research-status Report
非アルコール性脂肪肝炎およびその動物モデルにおける免疫寛容破綻の役割
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23790791
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱口 真英 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員 (80350883)
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Keywords | 消化器内科学 / 免疫学 / 自己免疫 / 自然炎症 / インスリン抵抗性 / 脂肪肝 |
Research Abstract |
肥満に基づくレプチン抵抗性は、高レプチン血症を惹起する。高レプチン血症は非アルコール性脂肪肝炎(NASH) の病因の一つと考えられている。しかし、アディポサイトカインであるレプチンがどのような機序で慢性炎症であるNASHを引き起こすかについては十分に理解されていない。 我々は、 制御性T細胞、ナイーブCD4+T細胞がレプチンレセプターを発現しており、高レプチン環境では制御性T細胞の免疫抑制機能が低下することを見出した。我々はレプチンの獲得免疫系の作用とNASH発症との関連を検討するため、リンパ球系のみレプチン受容体を発現させるマウスを作製した。このリンパ球系のみレプチン受容体を発現させるマウスでは、高脂肪食負荷により重度のNASHが発症することが観察された。肝臓浸潤免疫細胞をフローサイトメーターで解析したところ、制御性T細胞が減少し、活性化したヘルパーおよびキラーT細胞、iNKT細胞、M1マクロファージの増加を認めた。つまり、制御性T細胞が高レプチン環境で免疫抑制機能を低下されることでT細胞の活性化が起こり、これがNASH発症の一因となっていた。 次に、この制御性T細胞の抑制機能低下がNASHの直接的な発症原因となるかについて実験的に検討した。高脂肪食負荷下に一過性に制御性T細胞を除去したところ、NASHが発症することを病理組織学的に確認した。しかも、興味深いことに制御性T細胞の除去では肝臓炎症反応のみならず、肝脂肪化自体も悪化していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度研究計画は、作成したNASH動物モデルにおいて、肝浸潤リンパ球の評価をすることであった。我々はすでに研究のための動物モデルを作成し終わり、作成したNASH動物モデルにおいて、肝浸潤リンパ球を評価している。 さらに同時に実施した制御性T細胞の基礎的研究でも新規的所見が得られ、すでに論文にて報告しえている。このため、当該研究は当初の計画以上に進展したと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
肥満、レプチン抵抗性により高レプチン血症をきたすと制御性T細胞の免疫抑制機能が低下し、肝臓では慢性炎症および肝脂肪化が増悪することを実験的に証明した。今後は、得られた研究成果をまとめ、論文として投稿するとともに、自己免疫寛容の破たんと慢性炎症に関しての研究をさらに進展させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き、実験動物購入、動物飼育費・餌代等、細胞生物学的解析試薬、生化学的解析試薬、分子生物解析試薬購入に研究費を使用する予定である。 さらに次年度では、得られた研究成果をまとめ、論文として投稿したり、学会にて発表するためにも研究費を使用する予定である。
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Research Products
(9 results)