2011 Fiscal Year Research-status Report
ARBはcolitic cancerを予防するか?-IBDへの臨床応用を目指して
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23790802
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
水島 隆史 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60433223)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | IBD / colitic cancer / AT1R / ARB / NF-κB |
Research Abstract |
AT1R制御による大腸炎の抑制がcolitic cancer発生の予防につながるかをcolitis-associated colon cancer動物モデルで検討し、その免疫学的・分子生物学的メカニズムを解明することが平成23年度の計画であった。まずは、colitis-associated colon cancer動物モデルで、実際にcolitic cancerが発生するかを予備実験として施行した。マウスを・A(化学物質投与+腸炎惹起群:wild type): Azoxymathane(AOM: 7.4mg/kg 腹腔内投与+DSS投与群・B(腸炎惹起群): DSS投与群・C(化学物質投与群): AOM + water投与群・D(コントロール群): water投与群 の4通りとした。文献でのプロトコール通り、AOMはd1に投与し、DSSはd1-7、d21-28、d42-49に投与しd77に屠殺し検討した。colitis-associated colon cancer動物モデルではDDSの濃度がキーである。具体的には、1)濃度が高すぎればひどい腸炎が惹起されるためマウスが死亡してしまい、濃度が低すぎれば腸炎が軽度であるため、発生した癌が慢性炎症を背景に発生したものであると証明できない。2)DSSによって惹起される腸炎の程度は、DSSの濃度以外にも、その飼育環境にも影響を受ける。以上のことから、DSSの濃度を3%、2.5%、2%と変えて予備実験を施行したところ、2%で一番良好な結果を得た。具体的にはA、Bでは 腸炎が惹起されていた。このことは、臨床学的スコア、および組織学的な検索により確認された。また、A、B 、Cでは腫瘍が発生していた。このことは肉眼的(macro)および顕微鏡学的(micro)に確認された。また、AはB、Cに比して有意に発生数が高いという結論を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
9の研究実績の概要でも述べたが、この動物実験では、まずはcolitis-associated colon cancer動物モデルで実際に癌が誘導されるかを予備実験として行っておくことが大切であるが、colitis-associated colon cancer動物モデルではDDSの濃度がキーである。そのため、当施設の飼育環境ではDSSの至適濃度が2%であることを見つけ出すのに数回の予備実験を必要としたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は引き続き、colitis-associated colon cancer動物モデルを用いた実験を進めていく。1型アンジオテンシンII受容体(AT1R)を制御する方法としてAT1Rブロッカー(ARB)に加え、AT1Rノックアウトマウスの使用も行う
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験に必要なwildマウスおよび種々薬品の購入に使用していきたいと考えている。また、AT1Rノックアウトマウスを使用する際には、その購入にも充てていきたい
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