2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23790804
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
飯島 沙幸 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00416273)
|
Keywords | HCV / IFN / IL28B / ISG |
Research Abstract |
ゲノムワイド探索により、C型肝炎に対するペグインターフェロン・リバビリン(PEG-IFNα/RBV)治療効果を規定する因子としてヒト遺伝子IL28B(IFN-λ)の遺伝子多型(SNP)が報告されたが、その機能発現の詳細は明らかではない。IFNαによって発現誘導される遺伝子群、Interferon-stimulated genes (ISGs)の誘導は投与後初期の抗ウイルス効果を担うことが知られている。本研究ではHCV慢性患者のIL28B SNPとISGの誘導に注目し解析を行い、治療効果全体に対する初期応答とIL28B SNPの関連性を明らかにすることを目標とした。昨年度はPEG-IFNα/RBV投与に対するISG誘導の解析を行ったが、今年度は2011年から開始された三剤療法(PEG-IFNα/RBV+プロテアーゼ阻害剤)に関して解析を加えた。 三剤併用療法(PEG-IFNα/RBV+テラプレビル)を開始したHCVセロタイプ1の26例、IL28BのSNP(rs8099917)の内訳はメジャー(MA)19例、ヘテロ/マイナー(HE/MI)7例を対象とした。薬剤投与前、投与後8時間、24時間に回収した末梢血単核球からRNAを抽出し、自然免疫系に関与するISGの発現をリアルタイムPCRで解析した。 自然免疫系の遺伝子発現についてMA、HE/MIを比較したところ、投与後8時間での抑制系遺伝子の発現において、HE/MIが高い傾向が認められ、投与初期の抑制系ISG変動とウイルス減少に関連性を認めた。従ってIFN投与による初期抗ウイルス効果には、抑制系遺伝子動態も関与することが示唆された。 現在同じ対象について三剤投与前、投与後4週、12週において血中のサイトカイン量を測定しており、ISGの結果と合わせて、治療初期と長期の抗ウイルス効果とIL28B SNPの関連性を明らかにしたいと考えている。
|
Research Products
(7 results)