2012 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪性肝炎の病態形成におけるリピドラフトの役割の解明
Project/Area Number |
23790814
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
内山 明 順天堂大学, 医学部, 助教 (60529254)
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Keywords | NASH |
Research Abstract |
NASHの発症過程において、リピドラフトの役割を明らかにするために、飽和脂肪酸負荷によるリピドラフトの形態変化と酸化ストレス応答性の変化について検討した。C57BL/6雄性マウスより単離した初代培養肝細胞の系を用いた。一部の肝細胞は飽和脂肪酸(パルミチン酸;PA)を培養液中に添加した。肝細胞内の脂肪沈着をOil Red O染色で可視化し、マイクロプレートリーダーを用いて定量した。一部の肝細胞はcholesterol oxidase(CHOX)の前処置により細胞膜上のコレステロールを除去した。Propidium iodideで染色し、tert-butylhydroperoxide(t-BuOOH)を添加してラジカルを誘導し、蛍光増強をマイクロプレートリーダーで経時的に測定して肝細胞死を評価した。リピドラフト内を可視化するためにスフィンゴ糖脂質(GM1)の免疫細胞染色を行い、リピドラフトの形態変化を共焦点レーザー顕微鏡で観察しクラスター化率を算出した。PAで前処置した肝細胞内に有意に脂肪滴の増加を認めた。また、PA負荷によりリピドラフトのクラスター化率は対照群23.5±4.7%に対しPA群では 36.8±2.5%と有意に増加した。PAで前処置した肝細胞は極低濃度のt-BuOOH負荷で細胞死(75.5±8.6% )が惹起され、酸化ストレス応答性の亢進が示唆された。一方、PA負荷された肝細胞でt-BuOOH投与前にCHOXで処置すると、この細胞死は有意に抑制された(56.9±7.5 %)。一方、高濃度のt-BuOOH負荷による細胞死はCHOXで抑制されず、CHOXの細胞死抑制効果はt-BuOOHの毒性を抑制したものではないことが示された。遊離脂肪酸負荷による細胞膜上のリピドラフトの形態変化が、肝細胞の酸化ストレス応答性の亢進および細胞死に関与している基礎的データを明らかにした。
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Research Products
(2 results)