2012 Fiscal Year Research-status Report
CD34陽性細胞移植による肝硬変症に対する効率的な肝再生促進法の開発
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23790822
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中村 徹 久留米大学, 医学部, 助教 (30341332)
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Keywords | CD34陽性細胞 / EPC / 肝硬変 / 肝再生 / 細胞療法 |
Research Abstract |
【方法】現在当科で施行されている臨床研究「自己末梢血CD34+細胞による非代償性肝硬変患者に対する肝臓再生療法」対象患者の末梢血CD34+(EPC)細胞を採取しその一部を使用した。健常人の末梢血CD34+細胞はAllCells社より購入した。EPCはVEGF,SCF,IL-6,Flt-3 ligand,TPOを添加したStemSpan-SFEM培地にて7日間培養した。培養前後のEPCの血管再生能の評価をFACS解析、コロニーアッセイ法、リアルタイムPCR法により評価した。増幅したEPCはWistar系ラット四塩化炭素モデルに免疫抑制剤併用下に移植し(四塩化炭素は腹腔内に週2回10週間投与)移植後4週目に屠殺し解析した。肝線維化の評価をAzan染色およびI型コラーゲン、αSMA抗体に対する免疫組織化学染色にて行った。線維分解系酵素の推移をリアルタイムPCR法により評価した。肝再生の評価をPCNAに対する免疫組織化学染色にて行った。 【結果】培養前後の細胞数は健常人由来EPCが約12倍増幅したのに対し肝硬変患者由来では約8倍であった。コロニーアッセイ法では増幅後肝硬変患者と健常人のコロニー数を比較すると有意な増加を認めた。FACS解析では肝硬変患者増幅EPCにおいてVE-cadherin,KDR,Tie2の発現が、リアルタイムPCR法ではVEGF,HGF,EGF,TGFα,FGF-2,eNOS,Angiopoietin-2の発現が増幅後有意に増加していることを確認した。肝硬変患者由来増幅EPCを移植した治療群は対照群と比較し肝線維化は有意に改善し、リアルタイムPCR法ではTIMP-1の発現低下とPCNA陽性肝細胞/肝類洞内皮細胞数の有意な増加を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していたin vitro実験は終了し、現在in vivo実験を繰り返している状況である。in vivo実験で得られたsampleの解析まですでにこぎつけており、おおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1.H23年度に確立した免疫不全ラットを用いた肝硬変症動物モデルへのex vivo増幅CD34陽性細胞の投与(移植) 移植細胞数は5×10e4(低用量群),2×10e5(中用量群),1×10e6 cells/kg(高用量群)と3群設定し、投与経路は脾臓(局所投与)より投与(移植)する。対照群には、生理食塩水あるいは紫外線照射後のCD34+細胞を投与する。解析内容は、①肝硬変症の改善評価としてアザン染色および抗I型コラーゲン、抗αSMA抗体、抗PCNA抗体を用いた免疫組織化学染色、②肝組織よりRNAあるいは蛋白を抽出し、リアルタイムPCR法、ゼラチンザイモグラフィ-を用いてMMP-2,-9,-13,TIMP-1、ウエスタンブロット法を用いてMMP-13、③移植した細胞が生体内で何に分化したかの評価として、抗ヒトSM-1抗体、抗ヒトアルブミン抗体、抗ヒトケラチン19抗体、抗ヒトCD31抗体を用いた免疫組織化学染色、④血液生化学検査などを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として、①ラット購入費、②リアルタイム用関連試薬(TaqMan PCR master mix、プライマー)、③ゼラチンザイモグラフィ-用ゲル代を予定する。旅費として、成果の一部を発表あるいは情報収集を目的として、ヨーロッパ肝臓学会(アムステルダム)、日本肝臓学会総会(東京)、アメリカ肝臓学会(ワシントン)への出席を予定する。
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[Journal Article] Prevention of liver fibrosis and liver reconstitution of DMN-treated rat liver by transplanted EPCs.2012
Author(s)
Toru Nakamura, takuji Torimura, Hideki Iwamoto, Hiroshi Masuda, masako Naitou, Hironori Koga, Mitsuhiko Abe, Osamu Hashimoto, Victor Tsutsumi, Takato Ueno, Michio Sata
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Journal Title
European Journal of Clinical Investigation
Volume: 42
Pages: 717-728
DOI
Peer Reviewed
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