2013 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧における肺動脈病変の血管内腔および血管壁観察ツールの開発
Project/Area Number |
23790827
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 裕 東北大学, 大学病院, 助教 (80598409)
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Keywords | 肺高血圧症 / 血管内皮イメージ / 右心機能 |
Research Abstract |
<1> 肺高血圧症患者におけるOCTイメージングワイヤーを用いた肺動脈病変の検討 心臓カテーテル検査を施行した肺高血圧症患者(n=79)を対象とした。肺動脈性肺高血圧症患者では肺動脈内に異常構造物を認めなかったが、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)患者(n=30)において、OCTイメージングワイヤーにより血流を阻害していると思われる、特異的な網目状のweb像が得られた。この部分に対して経皮的肺動脈形成術(PTPA)を施行したところ、1. 自覚症状は改善(WHO機能分類1/2/3 0/13/17→3/27/0人, 6分間歩行距離 342±223→465±91m P<0.001)、2. BNPは有意に低下(88.6±110.4→32.5±34.7pg/dl P=0.01)、3. 心臓カテーテル検査での血行動態も有意に改善(平均肺動脈圧 39.5±10.3→28.8±7.8mmHg P<0.001, 肺血管抵抗 599±227→366±150dyne・sec・cm-5 P<0.001)した。また、PTPA施行後2年以上フォローしていたCTEPH患者22例とPTPA未施行のCTEPH患者39例について予後を比較検討した結果、PTPA施行群で有意に予後良好であった(P<0.05)。 <2> 肺高血圧症動物モデルにおける小肺動脈病変・肺動脈主幹部病変・右心機能の検討 低酸素誘発性肺高血圧で検討した。血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)欠損マウスおよびコラーゲン分解酵素抵抗性マウスでは、野生型マウスと比較して右室収縮期圧は有意に高値であった。さらに微小血管周囲の線維化や細胞数についても同様に高値を示した。以上より、右室リモデリングは肺高血圧症早期から線維形成、血管周囲リモデリング、毛細血管の粗鬆化とアポトーシスを通して生じ、eNOS経路やコラーゲン代謝が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)