2012 Fiscal Year Research-status Report
心臓病と腎臓病の臓器間相互作用(心腎連関)を制御する分子機構の解明と新規治療戦略
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23790835
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤生 克仁 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30422306)
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Keywords | 心不全 / 心腎連関 |
Research Abstract |
腎臓が心不全の発症にどのように関わっているか検討するため、昨年度腎臓由来の因子Xが重要であり、心臓内の様々な細胞種に影響を与え、心不全が生じないような恒常性維持機構があることを明らかとした。さらに、この因子Xの分泌様式を検討するために、様々な腎臓に対する刺激を行ったところ、この因子Xを分泌させる上流の刺激Aおよびその受容体Bを同定した。受容体Bの細胞内シグナルが転写因子Cをクロマチン上に誘導し、因子Xの分泌が生じることを同定した。 さらに、因子Xが心臓の細胞種に対して、どのような影響を生じさせているか検討するため、心臓内の各種細胞種をセルソーターで分離し、遺伝子発現を解析したところ、心臓の複数の細胞間の相互作用が、心臓の恒常性維持機構に重要であり、その内の一つでも機能異常に陥ると心不全が発症するという新しい心不全発症のメカニズムを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、論文投稿に必要なデータはほぼ全て取得し平成25年度初旬に論文投稿予定である。今後、論文投稿後の査読によって、さらなる必要なデータが必要と指摘される可能性はあるが、平成25年度の研究によって十分可能であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、作成した論文を英文校正の後に査読審査のある医学雑誌に投稿予定であり、論文は発行を目標としていく。さらに、査読過程で指摘されたデータ上の問題点、不足している点については、追加実験等によって、補足し、論文校正または、他の医学雑誌への投稿の変更等を考慮していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文投稿後の査読過程において、指摘される追加実験については、ある程度予想ができており、昨年度から必要な遺伝子改変マウスについては、すでに交配を開始している。今年度の研究費については、追加実験および論文校正費、論文発行費等にあてる予定である。
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