2012 Fiscal Year Annual Research Report
大動脈疾患での転写因子KLF6を軸とした病態機構解明と治療法の開発
Project/Area Number |
23790839
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤城 大悟 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40456132)
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Keywords | 転写因子 / 大動脈瘤 / TGFβ |
Research Abstract |
転写因子Krüppel-like factor 6 (KLF6)の心血管系における役割はほとんど知られていない。他のKLF因子(KLF2,3,5,15等)の役割からはKLF6も同領域において重要な働きをしている事が推測され、現在までの検討にて病態刺激下での大動脈壁遺伝子発現や臓器線維化に変化をもたらす因子である事が明らかとなっている。今研究ではその知見を更に展開しwhole bodyもしくはconditionalノックアウトマウスを用いた各種病態刺激への大動脈壁を始めとしたリモデリングの検討、分子生物学的手法等を通してKLF6の特に大動脈疾患における役割を明らかにし、大動脈解離及び大動脈瘤における新規病態マーカーや新規治療法の標的発見に至る事を目標とした。 KLF6ヘテロノックアウトマウスは野生型に比しアンジオテンシンII負荷(2週間)による各臓器でのTGFb-1のmRNA発現量も低下、また血清中TGFb-1ではELISA上total/active両formにおいてKLF6ヘテロノックアウトマウス群での低下を認めた。刺激前では血圧は差がないもののアンジオテンシンII負荷後の血圧上昇は野生型:150-160mmHg、ヘテロノックアウト群100-120mmHgと差がありAII高容量投与による有害事象がhetero群では減弱している傾向であった。これは選択的KLF6阻害により高血圧等による心機能低下や血圧上昇を抑制し得る可能性を示していると考えられる。KLF6ヘテロノックアウトマウスはアンジオテンシンII+CaCl2負荷による大動脈解離・瘤形成が亢進しており、壁全体でのマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-2の発現亢進が認められた。これら所見は血管壁リモデリングの変化を示しておりKLF6を標的とした治療(選択的阻害薬等)の可能性を示す所見と考えられる。
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Research Products
(4 results)