2012 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化形成における制御性T細胞の関与の解明と新規動脈硬化予防法・治療法の開発
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23790849
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐々木 直人 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00514746)
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Keywords | 動脈硬化症 / 免疫細胞 |
Research Abstract |
動脈硬化症の発生・進展における制御性T細胞の役割の検討 薬剤(ジフテリアトキシン)誘導性に制御性T細胞(Treg)を減らすことができるDEREG (Depletion of regulatory T cell) マウスと動脈硬化モデルマウス(apoE-KOマウス)とを交配して、DEREG/apoE-KOマウスを作製した。このマウスで効果的にTregを減少させるためのジフテリアトキシンの投与量および回数を検討し、適切な投与プロトコールを決定した。高脂血症下でTregを減少させると全身における著明なT細胞の活性化を認め、高脂血症下において、TregはT細胞を中心とした免疫細胞の活性化を抑制していることが示唆された。予備実験の結果において、Tregを減少させたマウスでは血液中のコレステロール値の低下を認め、Tregの減少は動脈硬化形成に影響を与えなかった。エフェクターT細胞の活性化による動脈硬化促進作用に対して、血液中コレステロールの減少が動脈硬化抑制的に作用したために、結果として動脈硬化病変は不変であったのではないかと予想される。 制御性T細胞を誘導・制御することによる新規動脈硬化予防法・治療法の開発 apoE-KOマウスを用いて1週間に1回の紫外線(UVB)照射を6週齢から開始して20週齢までの合計14回行い、大動脈基部での動脈硬化の定量評価を行った。UVB照射により全身でのTregの増加とともに動脈硬化形成が有意に抑制されることが分かった。UVB照射による動脈硬化抑制におけるTregの関与を直接的に証明するために、上記で作製したTregを減少させることのできるマウスを用いてUVB照射の実験を行った。このマウスではUVB照射による動脈硬化抑制効果が消失する傾向が見られ、UVB照射による動脈硬化抑制の機序としてTregの関与が示唆された。
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