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2011 Fiscal Year Research-status Report

脂肪酸トランスポーターCD36の欠損マウスを用いた心筋症の発症機序の解明

Research Project

Project/Area Number 23790851
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

増田 大作  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (20568753)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords心筋 / 脂肪酸代謝 / 糖代謝 / CD36 / FDG-PET / GLUT
Research Abstract

心筋におけるエネルギー源の脂肪酸からグルコースへのシフトが心機能に与える影響とメカニズムについて脂肪酸トランスポーターを欠くCD36KOマウスを用いて検討した。A.心筋に対する負荷をかけない場合; qRTPCRを用いた検討ではマウス心筋グルコーストランスポーター(GLUT1・GLUT4)は発現亢進しているが脂肪酸代謝関連因子(FABPpm,FATP1,FATP6, PGC1alpha)に変化が見られなかった。Microarrayによる検討ではGlut4の発現を亢進させるNR4A1やinsulin存在下にmembraneへのtranslocationを促進させるNR4A3の発現が亢進していた。また心筋内のGlucose-6-phosphate量が少ないにもかかわらずAcetyl CoAが亢進しており、ペントースリン酸経路の亢進によりATP産生が維持されていると推察された。 B.心筋における負荷をかける場合;Angiotensin2(1.2mg/kg/day)投与は4週間で漸くCD36KOマウスでの心重量増加を認めるもエコー測定項目に変化なく検討を断念した。TAC負荷ではWTよりCD36KOマウスで心重量・肺重量は有意に重く、左室の内腔拡大と収縮能低下を認めた。HE染色によりCD36KOマウス心筋では有意に心筋細胞肥大を呈し線維化面積も大きい傾向を認めた。当初予定のFDG-PETの機械トラブルによりグルコースにRIラベルし心筋への取込みを検討した。WT、CD36KOいずれでもShamに比較しTACモデルでグルコース取り込みが上昇するが、この増加量はCD36KOマウスでより低値であった。このことはCD36KOマウスでは負荷のない状態からグルコース取り込みの亢進に依存しており、TACを行ってもグルコースの取り込み亢進が頭打ち状態でエネルギー産生を維持できないことによると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初計画していた実験計画に比較して全体的に順調に進んでいると思われる。マウスの飼育や実験の実施にはただ一点を除いて大きな問題は見られない。それはFDG PETにより心筋のグルコース代謝をTAC負荷個体で経時的に評価しようと考えていたのであるが、PET装置の故障が発生し物理的にFDG-PETでの評価ができなくなったのである。しかしながらこの修理に関しては順調に・ただ慎重に推移しており、またこの実験の代替案としてグルコースを14CにてラベルしたRIを用いた検討においても同じとまでは言わないまでもwholeでCD36KOマウス心筋の糖代謝の特性を確認できる結果が得られている。今後、FDG-PETの器械の回復を待ちつつ、こちらの検討方法にても順次結果を出して生きたい。これらのことを総合的に勘案しても、作業の達成度としては1年経過した段階で良好で順調であると考えている。

Strategy for Future Research Activity

前述のとおり、当初計画していた実験遂行予定とほぼ一致した実験の進行が達成されており、計画書にあるとおりに24年度の実験も遂行していきたい。特にTACによる心筋負荷状態のエネルギー消費に伴う代謝マッピングを完成させたい(Wsetern Blotting, マイクロアレイ、プロテオミクスの併用と十分なn数を得る)。さらに心筋障害・心肥大の表かとして当初予定していたマウス生体での経時的なMR spectによるPcreatin/ATP比測定(心肥大・虚血心でPCr/ATP比の低下がみられる)を実行して、これを心摘出後のルシフェラーゼアッセイ法によるATP産生量測定と併用する。以上の実験を遂行して結果をまとめ論文作成して発表を行う。今のところマウスの飼育や実験器具の準備・人的要因などに特に大きな変化はなく昨年同様の実験遂行が可能であると考えられる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

上記に示す通り、当初計画していた実験遂行予定とほぼ一致した実験の進行が達成されており、計画書にあるとおりに23年度の実験経費の出費がなされた。今後24年度も計画されたように実験を遂行していきたい。特にFDG-PETのトラブルに伴ってRI実験を追加しているがここにかかるコストは全体の経費計画に影響を与えるほどではなく些少であり、今年度の出費に関しても特に大きな問題はないものと考えられる(FDG-PETの修理費用は当方からの負担はない)

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Visualization and Quantification of FDG Uptake in Myocardium of CD36-knockout Mice In Vivo Using a High Spatial Resolution Semiconductor PET2011

    • Author(s)
      中谷和弘、増田大作、他
    • Organizer
      第75回日本循環器学会総会・学術集会
    • Place of Presentation
      みなとみらい(横浜)
    • Year and Date
      2011年8月3日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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