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2013 Fiscal Year Annual Research Report

副交感神経活動による抗炎症作用の分子機序解明と大動脈瘤の非侵襲的制圧への応用

Research Project

Project/Area Number 23790858
Research InstitutionKochi University

Principal Investigator

有川 幹彦  高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (20432817)

Keywords生体機能利用 / 心機能保護 / コリンエステラーゼ阻害剤 / アセチルコリン
Research Abstract

ACh分解酵素阻害剤のひとつであるドネペジルは内在性のAChレベルの上昇を引き起こす。副交感神経活動の活性化による抗炎症作用の分子機序を明らかにするために、マクロファージ細胞株(Raw264.7)において、内毒素(Lipopolysaccharide, LPS)刺激により惹起される炎症反応に対するドネペジルの効果を検討した。その結果、ドネペジルはLPS誘導性の炎症反応(TNF-αやIL-1βなどの発現量の増加)に対する抑制効果を持つことが明らかになった。さらに、ドネペジルはLPS刺激後のNF-κBの核移行を抑制することにより抗炎症作用を示すことが明らかになった。AChでは同様の効果が見られなかったこと、および、ドネペジルの抗炎症作用はACh受容体阻害剤の影響を受けなかったことから、ドネペジルのACh分解酵素阻害効果とは別の働きによるものであることが示唆された。別種のACh分解酵素阻害剤(Galanthamine, Physostigmine)にはドネペジルのような作用は認められなかったことから、ドネペジルの抗炎症作用は本剤特異的であることが示唆された。
本研究では、マウス腹部大動脈瘤モデルに対するドネペジルの短期的・長期的評価を計画した。しかし、塩化カルシウム誘発性の腹部大動脈瘤モデルが再現性に乏しく、ドネペジルの効果を評価でき得るモデルの作成にまで至らなかったため、盲腸結紮穿孔による敗血症モデルに対するドネペジルの効果を検討した。その結果、ドネペジル投与群と非投与群において、敗血症モデルマウスの生存率に有意な差は認められなかった。ドネペジルの抗炎症作用は生存率にまで影響を及ぼすほど強力なものではないためと考察される。血中の炎症性サイトカイン濃度や腹腔内のマクロファージ数など、ドネペジルの抗炎症作用に対する適切な評価法の検討が必要である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Heart-specific overexpression of choline acetyltransferase gene protects murine heart against ischemia through hypoxia-inducible factor-1α-related defense mechanisms.2013

    • Author(s)
      Kakinuma Y, Tsuda M, Okazaki K, Akiyama T, Arikawa M, Noguchi T, Sato T.
    • Journal Title

      Journal of the American Heart Association

      Volume: 18 Pages: e004887

    • DOI

      10.1161/JAHA.112.004887

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 細胞内コリン作動系制御機構を介した細胞代謝とその病態への影響2013

    • Author(s)
      柿沼 由彦、津田 正之、岡崎 佳代、秋山 剛、有川 幹彦、野口達哉、佐藤 隆幸
    • Organizer
      第34回日本循環制御医学会総会
    • Place of Presentation
      福井県県民ホール(福井)
    • Year and Date
      20130607-20130608

URL: 

Published: 2015-05-28  

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