2012 Fiscal Year Annual Research Report
脈波衝撃投与DDSカテーテルとナノDDSの融合による新しい血管内治療の研究開発
Project/Area Number |
23790863
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 覚 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30420607)
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Keywords | ナノテク / DDS / 低侵襲医療 |
Research Abstract |
治療因子として血管保護作用を有するピタバスタチンを選択した。ピタバスタチンをエマルジョンソルベント法により封入率12 %,平均粒子径 196 nmのPLGAナノ粒子製剤を作製した。さらに、ブタ冠動脈血管平滑筋細胞の増殖抑制アッセイを行ったところ、10および100 nMのピタバスタチンを含有するナノ粒子は、ナノ粒子化していない同用量のピタバスタチンよりも有意に血管平滑筋細胞の増殖を抑制することを明らかにした。ブタ冠動脈バルーン傷害モデルを用いて上述のピタバスタチン封入ナノ粒子によるDDSとDDSカテーテルを融合させた革新的複合型治療デバイスの有効性を検証した。ブタ冠動脈にバルーンカテーテルにより過拡張傷害を加え(balloon to artery ratio = 1.2)、同部位にFITCナノ粒子あるいはピタバスタチンナノ粒子を脈派衝撃投与DDSカテーテルを用いて投与した。バルーン傷害4週間後の評価では、FITCの蛍光シグナルを血管平滑筋細胞を多く含む中膜内に認めた。さらに、治療群ではFITCナノ粒子群と比べ、有意に新生内膜形成が抑制された。以上の結果から、ナノDDSとカテーテルDDSを組み合わせた融合薬剤送達システムによるピタバスタチンの血管内送達により、ブタ冠動脈バルーン傷害後の新生内膜形成が抑制されることを明らかにした。その作用機序としてERK1/2の発現抑制による血管平滑筋細胞の過剰増殖を抑制することが関与している事を明らかにした。以上の結果から薬剤溶出性ステントを使用しない、再狭窄抑制のための新たな血管内ナノ医療として期待できる。
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Research Products
(6 results)