2013 Fiscal Year Annual Research Report
血管石灰化におけるマトリックスGla蛋白の役割についての研究
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23790871
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
菅野 康夫 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (00317124)
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Keywords | 石灰化 / 心血管疾患 / マトリックス蛋白 |
Research Abstract |
Matrix Gla Protein(MGP)は間葉系細胞より骨芽細胞への分化を抑制することにより骨代謝を抑制するマトリックス蛋白である。本研究は、血管石灰化の機序とその抑制作用としてのMGPの役割を同定することを目的とした。本研究では、MGPの過剰発現マウスを用い、高カルシウム・高リン食を負荷することにより誘導される石灰化が、同マウスでは抑制されるとの仮説の下、研究に着手した。 1) MGPの発現:αSMAプロモーターの下流に組み込んだMGPの発現を確認した。Negative Controlと比較し、心臓において約15倍と亢進し、十分な遺伝子発現を確認しえた。心臓以外の臓器ではMGPの分泌亢進は確認できず、心臓特異的な発現であると考えられた。 2) 過剰発現マウスでの検討:高カルシウム・高リン食の負荷による石灰化誘導が困窮を極めた。コントロールマウスにおいても十分な石灰化を確認するに至らず、MGPによる石灰化抑制効果の確認はできなかった。ApoEノックアウトマウスを用いた検討も今後必要と考えられる。 3) テネイシン発現の検討と免疫組織染色:MGPと類したテネイシンも組織のマトリックス蛋白であり、血管平滑筋細胞や骨芽細胞に働くとされ、組織染色を行った。血管内皮細胞のマーカーであるCD31、CD34の染色も加え、これらの細胞への作用を検討している。また、血中テネイシンが石灰化のあらたなバイオマーカーになる可能性についても研究を重ねている。
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