2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23790880
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
網野 真理 東海大学, 医学部, 講師 (10407976)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 重粒子線照射 / 心室遅延電位 / 心筋梗塞モデル / 致死性心室性不整脈 |
Research Abstract |
我々は家兎心筋梗塞(MI)に対する重粒子線照射(THIR)は、コネキシン43蛋白の発現を促し急性期の致死性心室性不整脈(VT/VF)の誘発性を低下させることを報告した。しかし慢性期の梗塞瘢痕に伴う不整脈抑制効果は明らかにされていない。本研究の目的は,イヌMI モデルを用いてTHIRによる急性期の心室遅延電位(LP)、慢性期の不整脈抑制効果の有無を検討することである。 対象は体重9-10kgのビーグル犬16匹(MI群, MI+THIR群,コントロール群, コントロール+THIR群, 4匹ずつ)。経皮的カテーテルによるマイクロスフェアー注入法により冠動脈左回旋枝を閉塞し,前側壁梗塞を作成した。THIRは理化学研究所においてMI作成後2週間で施行した。MI作成およびTHIR施行前後で、12誘導心電図による経時的なLPの計測を行った。慢性期の心室性不整脈に関しては,MI 作成1年後に電気生理学的検査を行い,プログラム刺激によるVT/VF の誘発性を評価した。 結果LPは,MI作成前, 急性期(2週間)、慢性期(1年)で測定し、MI+THIR群がMI群に比し有意に陰性率が高値であった(MI作成前:0% vs 0%, p<n.s, 2週間:100% vs 25%, p<0.01, 1年:100% vs 25%, p<0.01)。慢性期の誘発性VT/VF はMI 群で全例出現したが,MI+THIR 群では1例のみであった。コントロール群(Cont)におけるLPは,THIR施行前, 施行後(2週間)、慢性期(1年)で測定し、Cont群とCont+THIR群では有意さは認めなかった。慢性期のVT/VF はいずれの群においても誘発されなかった。 重粒子線照射は梗塞後のLPを改善し、慢性期における致死性心室性不整脈を抑制した。健常心に対する重粒子線照射に伴う催不整脈作用は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の遂行ならびに得られた実験データの解析状況はおおむね順調に進展している。今年度はイヌMI モデルを用いてTHIRによる急性期の心室遅延電位(LP)、慢性期の不整脈抑制効果の有無を検討を行った。大型動物を用いた生体実験ではあるが、現時点で予期せぬ合併症や問題点は認めない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はイヌMI モデルを用いてTHIRによる急性期の心室遅延電位(LP)、慢性期の不整脈抑制効果の有無を検討を行った。今回得られた実験データの解析をさらに詳細に進める必要があり、解析におよそ6か月程度を見込んでいる。その後、サクリファイスしたイヌの心筋病理および免疫染色の検討を行い、さらには研究成果の学会発表・論文化を予定しており、次年度内にはいずれも行えるように努力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に行った実験で、慢性期の心室性不整脈に関しては,MI 作成1年後に電気生理学的検査を行い,プログラム刺激によるVT/VF の誘発性を評価した。次年度の研究費はサクリファイスしたイヌの心筋病理および免疫染色の検討を行う費用に使用予定である。また研究成果の学会発表・論文化を行った際の、出張旅費および論文掲載料等などに使用する目的である。
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