2012 Fiscal Year Research-status Report
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23790882
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
川浪 大治 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50568889)
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Keywords | ROCK / Rho / 血管内皮 / 小胞体ストレス |
Research Abstract |
平成24年度は血管内皮機能調節におけるROCKの新たな機能を明らかにすることを目的として小胞体ストレスに着目し、ROCKの機能解析を行った。小胞体ストレスは糖尿病をはじめとする様々な病態の形成に重要な役割を果たしている。血管内皮においては小胞体ストレスは炎症機転を惹起し動脈硬化形成に働くことが知られている。しかしながら、これまでにRho/ROCKが小胞体ストレスにおいてどのような役割を果たしているのかは明らかではなかった。培養血管内皮細胞に小胞体ストレスを惹起したところ低分子G蛋白Rhoの活性化が誘導されることをPull-downアッセイによって確認した。同様にROCK活性も上昇した。さらにROCK阻害剤であるFasudilは小胞体ストレスによって惹起される接着分子VCAM-1をはじめとする動脈硬化関連遺伝子の発現を抑制することを見出した。さらに詳細なメカニズムの検討を行ったところFasudilが小胞体ストレスによって誘導されるUPR(unfolded protein response)を調節することが明らかになった。すなわち、Fasudilは小胞体ストレスによって誘導されるactivating transcription factor (ATF)4やその下流に存在するCEB/P homologus protein (CHOP)の発現を抑制した。このことにより、血管内皮の炎症機転を制御していることが明らかとなった。以上より、小胞体ストレスによってRho/ROCKが活性化され、血管内皮機能障害の形成に重要な役割を有することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroにおける解析は進めることができているが、in vitroでの検討に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
ROCKのアイソフォームに特化した研究を推進するべく、条件検討を進めている。特にROCK2の機能を明らかにするために平成24年度で明らかにしてきた小胞体ストレスにおけるROCKの機能の中でROCK2がROCK1と異なったどのような機能を有するのか、siRNAあるいは過剰発現系を用いて検討を進める。さらに、in vivoでの検討を並行して行う。また、血管内皮だけではなく、単球やマクロファージを用いた検討も進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培養系を用いた検討に加えて動物実験に研究費を使用するとともに、その成果発表のための論文作成に充てる。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Rho-kinase inhibition prevents the progression of diabetic nephropathy by downregulating hypoxia-inducible factor 1a2013
Author(s)
Matoba K, Kawanami D, Okada R, Tsukamoto M, Kinoshita J, Ito T, Ishizawa S, Kanazawa Y, Yokota T, Murai N, Matsufuji S, Takahashi-Fujigasaki J, Utsunomiya K
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Journal Title
Kidney International
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed
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