2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞標準化Real-time PCR法での肺炎起炎菌診断と網羅的病態解析
Project/Area Number |
23790918
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
平間 崇 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (80510338)
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Keywords | HIRA-TAN / ヒラタン / 肺炎 |
Research Abstract |
肺炎は罹患率,死亡率ともに高い疾患である.肺炎の原因微生物を同定することは,適切な抗菌薬の選択につながる.適切な抗菌薬の使用は,肺炎の死亡率を下げるだけでなく,医療費高騰や耐性菌出現の低下にもつながる.しかし,既存の検査法は,現在でも培養検査が主体であり,原因微生物を同定ができないことも少なくない. 私たちは,real-time PCRを基に,肺炎の治療対象となる病原体を迅速に同定できる包括的システム:HIRA-TAN (Human cell controlled Identification of Respiratory Agent from TAN)を開発した(Hirama T, et al. PLoS ONE 2011; 6: e24474).このシステムは,PCRで検出された微生物を治療対象か判定できる特許技術を有する(特許第4665203号,PCT/JP2009/053976).HIRA-TANは24種類の検出標的を一括で検索できる発明である(HIRA-TANのホームページ:hira-tan.com). 私たちは,HIRA-TANを使用して,治療対象を報告するまでの時間,検査にかかる費用,治療対象の同定率,また肺炎発症場所ごとの原因微生物の解析を前向き試験で検証した(UMIN000006863)(埼玉医科大学IRB 11-047).臨床試験参加施設において,肺炎症例を連続登録した.並行して行われた既存の検査法(喀痰培養,肺炎球菌尿中抗原)と比較すると,HIRA-TANは,結果報告までの時間,検査における総費用額,治療対象の同定率,はすべて上回っていた.今後は,HIRA-TANを使用して,肺炎の治療早期に経験的治療から確定的治療へ移行する介入研究を検証する.
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