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2013 Fiscal Year Research-status Report

間質性肺疾患の末梢血中線維細胞に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23790926
Research InstitutionNippon Medical School

Principal Investigator

根井 貴仁  日本医科大学, 医学部, 助教 (30597670)

Keywords間質性肺炎 / Fibrocyte / IL-13
Research Abstract

①患者血球を用いる前段階の検討として、ブレオマイシン(BLM)肺障害モデルにおけるfibrocyte の挙動を確認した。実験手技の熟練も必要なため、fibrocyte の検出が比較的容易な肺内で検討した。同時に、新規抗線維化薬pirfenidone (PFD)の作用も検討した。C57BL/6マウスに浸透圧ポンプでBLMを7日間持続的に投与,同時に PFDを14日間投与する予防モデルを作成。FACSでは、fibrocyteがBLM群で26.5%と増加し,PFD併用で13.7%へ減少した。BLM投与後10日目から21日目までPFDを投与する治療モデルでも同様の傾向であった。単離fibrocyteを用いた遊走能の検討ではCCL2へのfibrocyteの遊走がPFDで有意に抑制された。CCR2の発現もPFDで有意に抑制された。以上の成果は学術誌に報告した (Inomata M, Kamio K, Azuma A, Matsuda K, Nei T, Gemma A. Respir Res. 2014;15:16)。
②FibrocyteとIL-13との関連を評価するため,健常者の末梢血から密度勾配遠心法にて単球系細胞PBMCsを分離し5日間無血清で培養後FACSで解析した。Shaoらの報告と異なり(J Leukoc Biol. 2008, 83(6): 1323-33)、IL-13 (10 ng/mL)との共培養でfibrocyteは4.0%から1.0%へ減少した。高濃度のIL-13 (100 ng/mL)でも増加は見られなかった。IL-4(10 ng/mL)との共培養では6.1%から4.3%へ減少した。また健常者PBMCsをIL-13で3日間培養し、TGF-b1の発現をmRNAで確認した所、1.3倍に上昇していた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

間質性肺炎患者の血液を用いる前のpreliminaryな条件設定で苦慮している。Shao らの報告にあるIL-13あるいはIL-4によるPBMCの刺激でfibrocyteの増加を確認することができないでいる。今後は刺激をTGF-b1や血清そのものを用いることも検討するが、患者血球を用いる前に最適な系を確立するのに時間を要している。ただしin vivoの系においては、CD45とcollagen Iを指標としたfibrocyteの検出が技術的に安定したものとなっており、今後系が確立すれば解析は速やかに進むものと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

引き続き健常者由来の末梢血液から密度勾配遠心法にてPBMCを分離する。分離PBMCからT細胞(CD3)、NK細胞(CD56)の大部分を磁気ビーズを用いて除去し,残った細胞分画にIL-13, IL-4, TGF-b1あるいは血清などを用いてfibrocyteへの分化誘導を促す。培養液中における線維化促進因子や線維化抑制因子の産生をELISA法で測定し無刺激群と比較する。またfibrocyteへの分化誘導因子をより網羅的に解析するため、monocyteのcell lineを用いる事も予定している。MonocyteへのIL-13などの影響を動物実験でも確認するため,C57BL/6マウスに浸透圧ポンプでBLMを持続皮下注射する肺線維症モデルマウスで,BLM投与開始から14日目で末梢血を採取する。PBMCを分離し,IL-13とともに培養後,CD45+collagen-I+細胞の含有率をflow cytometry法で測定しIL-13 free群と比較する。培養液中の線維化促進因子や線維化抑制因子の産生も同様にELISAで測定しIL-13 free群と比較する。IL-13だけでなく,IL-4でもfibrocyteを増加させることが報告されているため,上記と同様の実験系でIL-4と共培養した場合のfibrocyteや各種サイトカイン,ケモカインをIL-4 free群と比較する。各種間質性肺炎の患者検体は収集を進めており凍結保存中であるが,健常者での系が確立次第解析を開始する。採取した血清も凍結保存をし,PBMCを10%患者血清や健常者血清と共培養し,線維化促進因子の産生量を測定し,血清中の線維化促進因子の存在を検討する。また,PBMC採取とほぼ同時期に診断のための気管支肺胞洗浄が得られれば,これを用いた共培養も行い,産生蛋白に関する検討を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

間質性肺炎患者の血液を用いる前のpreliminaryな条件設定の段階で苦慮しています。既報ではIL-13あるいはIL-4によるPBMCの刺激でfibrocyteの増加が見られておりますが、われわれの検討ではこれを確認することができないでいます。このため本研究の中心課題である患者血液を用いた検討に進むことができずにいます。このため、次年度の使用額が生じました。
健常者由来末梢血液の分離PBMCからのfibrocyteへの分化誘導する系の確立を目指します。間質性肺炎の患者検体は収集を進めており凍結保存中ですが,健常者での系が確立次第解析を開始します。以上を補助する目的で、fibrocyteへの分化誘導因子を網羅的に解析するため、monocyteのcell lineの使用も予定しています。さらにmonocyteへのIL-13などの影響をマウスでも確認するため、BLMを投与する肺線維症モデルでの末梢血PBMCで,fibrocyteへの分化誘導を確認します。以上の検討への使用を予定しています。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Pirfenidone inhibits fibrocyte accumulation in the lungs in bleomycin-induced murine pulmonary fibrosis2014

    • Author(s)
      Inomata M, Kamio K, Azuma A, Matsuda K, Kokuho N, Miura Y, Hayashi H, Nei T, Fujita K, Saito Y, Gemma A
    • Journal Title

      Respiratory Research

      Volume: 15 Pages: 16-30

    • DOI

      10.1186/1465-9921-15-16

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Pirfenidone Inhibits Bone Marrow-Derived Fibrocytes Influx into the Lungs in Bleomycin-induced Murine Pulmonary Fibrosis2013

    • Author(s)
      Minoru Inomata, Koichiro Kamio, Kuniko Matsuda, Nariaki Kokuho, Yukiko Miura, Kazue Fujita, Yoshinobu Saito, Akihiko Gemma, Arata Azuma
    • Organizer
      American Thoracic Society
    • Place of Presentation
      米国フィラデルフィア
    • Year and Date
      20130517-20130522
  • [Presentation] ブレオマイシン誘発肺障害モデルマウスにおけるピルフェニドンの骨髄由来fibrocyte抑制効果に関する検討2013

    • Author(s)
      猪俣稔、神尾孝一郎、松田久仁子、國保成暁、根井貴仁、三浦由記子、藤田和恵、齋藤好信、弦間昭彦、吾妻安良太
    • Organizer
      第53回 日本呼吸器学会学術講演会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      20130419-20130421

URL: 

Published: 2015-05-28  

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