2012 Fiscal Year Annual Research Report
TGFーβ1による糸球体上皮細胞障害とWT1の発現制御について
Project/Area Number |
23790930
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
坂入 徹 群馬大学, 医学部, 助教 (20455976)
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Keywords | 巣状糸球体硬化症 / 糖尿病性腎症 / 糸球体上皮細胞 / WT1 / TGF-beta |
Research Abstract |
TGF-beta1は 糖尿病性腎症および巣状糸球体硬化症の進行に寄与していると考えられている。また,転写因子Wilms tumor suppressor gene (WT1)は,正常糸球体上皮細胞の正常機能維持に必要なことが知られている。我々は,TGF-beta1が,培養ヒト糸球体上皮細胞,及び,マウス腎の糸球体上皮細胞におけるWT1の発現を減少させることを発見し,更に,その機序を明らかにするために,培養ヒト糸球体上皮細胞を用いた研究を行なった。その結果,1) TGF-beta1のWT1減弱作用は,部分的にはSmad4を介していること,2) TGF-beta1は,WT1のプロモーター活性に影響を与えないが,5'エンハンサーの活性を減弱させること,3) TGF-beta1は,WT1プロモーターのメチル化を促進すること,を見出した。TGF-beta1が,これら複数の機序を介して糸球体上皮細胞におけるWT1の発現を減弱させることが示唆された。これらの結果により,糖尿病性腎症および巣状糸球体硬化症における重要な病態の一つである,糸球体上皮細胞障害の機序の一部が明らかとなった。
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