2014 Fiscal Year Annual Research Report
多発性嚢胞腎発症機序の解明;モデルマウスを用いたTRPP2の局在異常からの解析
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23790936
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山田 和徳 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (90397224)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 多発性嚢胞腎 / モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)患者より、PKD2遺伝子変異(697fsx)を有する1家系を見出した。この遺伝子変異によりTRPP2 697fsxは細胞膜上で、TRPC3およびTRPC7と新たなチャネルを形成することを報告した。本研究では、この局在異常型TRPP2のモデルマウスを樹立することにより、嚢胞形成の機序の解明を行うことを主目的とした。 24年度より、TRPP2 697fsxおよび野生型TRPP2を組み入れたトランスジェニック(Tg)マウスを作成した。25-26年度より、組織学的検討を開始した。6-12月齢のTRPP2 697fsxTgマウスにおいて、尿細管および血管の拡張所見を認めた。拡張した尿細管および血管については、それぞれ尿細管マーカー(ウロモジュリン)、血管内皮マーカー(CD31)に対する抗体を用いて確認した。また、野生型のTRPP2を組み入れたTgマウスにおいても12月齢において嚢胞形成が確認された。 26年度は、4週齢から40週齢のTRPP2697fsxの腎機能についてELISA法を用いて評価した。その結果、TRPP2 697fsx Tgマウスは、4週齢の時点から血清Cr 3.7±0.3 mg/dLと腎機能障害を認めた。20週齢の時点では、Cr 3.6±0.6 mg/dLとほぼ横ばいであったが、40週では有意差はつかないもののCr 4.1±0.6 mg/dLと上昇傾向を認めた。また、4週齢より蛋白尿を認めた。これらの結果より、TRPP2 697fsxTgマウスは、嚢胞形成を認め、少なくとも4週齢より腎機能障害を呈することが明らかになった。こららの結果より、PKD2遺伝子変異(TRPP2 687fsx)によって、嚢胞形成を起こすことがマウスモデルを作成することで確認された。
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[Journal Article] A case developing minimal change disease during the course of IgG4-related disease.2015
Author(s)
Yamada K, Zoshima T, Ito K, Mizushima I, Hara S, Horita S, Nuka H, Hamano R, Fujii H, Yamagishi M, Kawano M.
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Journal Title
Mod Rheumatol.
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed
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