2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規尿酸排泄トランスポーターNPT4のPDZK1による尿酸輸送制御機構の解明
Project/Area Number |
23790952
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
福冨 俊之 杏林大学, 医学部, 助教 (30439187)
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Keywords | 尿酸 / 尿酸排泄 / 尿酸トランスポーター / NPT4 / PDZK1 / プロテオミクス |
Research Abstract |
腎臓の尿酸排泄低下は高尿酸血症を引き起こし、痛風や腎機能障害などの合併症を誘発する。その為、尿酸排泄機構は生体にとって極めて重要な機構である。最近我々は、オーファン輸送体NPT4が腎近位尿細管管腔側で尿酸排泄を担い、その機能不全が高尿酸血症を惹起することを明らかにした。そこで本研究計画は、新規尿酸排泄輸送体NPT4の機能調節に関わる結合タンパク質を同定し、それに伴う尿酸の排泄制御機構の解明を目的とする。 これまでにNPT4のC端と腎臓cDNAライブラリーを用いた酵母ツーハイブリット (Y2H)スクリーニングにより、NPT4の結合タンパク質候補としてPDZK1を見出した。PDZK1は細胞内支持タンパク質で、PDZモチーフを持つ輸送体の輸送活性に影響を及ぼす。NPT4もPDZモチーフを持つことから、PDZK1のNPT4の機能調節の可能性に着目し検討を行った。まず、全長NPT4とPDZK1の結合を確認する為、Y2H法および免疫沈降法を行った。両手法において、NPT4とPDZK1の結合を確認することでき、NPT4とPDZK1の結合を明らかにした。次に、NPT4の機能に対するPDZK1の影響を検討するため、腎臓の代表的有機酸であるパラアミノ馬尿酸を用いたNPT4の輸送特性解析を行ったが、NPT4単独発現時とNPT4とPDZK1の共発現時のNPT4の輸送特性に有意な差は確認されなかった。そこで、PDZK1に加え、さらにNPT4の機能調節に関与するタンパク質を探索するため、プロテオミクスを用いた手法によりNPT4結合タンパク質を探索した。その結果、NPT4と同様に尿酸を排泄するトランスポーターMDR1を同定した。さらに検討した結果、MDR1はPDZK1とも結合することを明らかにした。以上より、MDR1、NPT4およびPDZK1は複合体を形成し、尿酸排泄に関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)