2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒトES・iPS内皮細胞誘導技術を用いた新規CKD病態メカニズムの解明
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23790953
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
本間 康一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10383762)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / ヒトES細胞 / ヒトiPS細胞 / 糸球体内皮細胞 / 尿細管細胞 |
Research Abstract |
慢性腎臓病 (CKD) の発症、進展機序を解明し新規治療法の開発につなげるために、CKDの発症および進展に重要な働きを担っている腎糸球体内皮細胞、腎尿細管細胞に着目した。研究に使用するソースとして、未分化ヒトES・iPS細胞から分化誘導した糸球体内皮細胞および尿細管細胞を用いることができれば、CKDの発症機序を検討するのみならず、細胞移植治療や薬剤スクリーニングに応用することができると考えた。 そこで本年度はヒトES・iPS細胞から血管内皮細胞への分化誘導法は以前に我々が報告し研究に使用できるところまで来ているが、ヒトES・iPS細胞より尿細管細胞への分化誘導法の報告は全くないので試みた。 未分化ヒトES細胞より尿細管分化誘導培地を用いて分化誘導させ経時的に各種マーカーを定量的PCR法を用いて測定した。 中胚葉マーカーであるBrachyuryが著名に上昇し、その後Six2およびWT1といった中間中胚葉マーカーが著名に上昇し、それに続いて尿細管マーカーであるKidney Specific Protein(KSP)の発現上昇が再現性を持って確認できた。 今後は、KSP陽性細胞を分取できるかが重要であり、分取できたならば網羅的遺伝子解析を行い老化マーカーの発現や低酸素刺激などに対する反応性を明らかにし、ヒトES・iPS細胞由来血管内皮細胞と共にCKDモデル動物への細胞移植研究へつなげたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
慢性腎臓病(CKD)の発症、進展の中心的な役割を担っているヒトES細胞から尿細管細胞への分化誘導が現実味を帯びてきているため。現時点でヒトES細胞から尿細管細胞への分化誘導報告は全くない。これによる疾患iPSからの病態モデルの作成につなげたい。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトES細胞から尿細管細胞への分化誘導法を確立し、ヒトES細胞由来内皮細胞との分化誘導に置ける臓器連関の検討、疾患iPS細胞を利用して病態モデルの作成に発展させたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品の節約、自身でできることは外注しなかったこともありH23年度からの繰越金が生じたが、H24年度の細胞培養関連消耗品、遺伝子網羅的解析に使用予定である。
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