2012 Fiscal Year Annual Research Report
黄連含有イソキノリンアルカロイドの糸球体腎炎治療候補薬としての応用研究
Project/Area Number |
23790966
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
鈴木 裕可 愛知学院大学, 薬学部, 助教 (00581026)
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Keywords | 糸球体腎炎 / 黄連含有イソキノリンアルカロイド |
Research Abstract |
本研究は、黄連含有イソキノリンアルカロイドであるberberine、palmatine、coptisineがcasein kinase2(CK2)の阻害を介して糸球体腎炎を改善する可能性を考え、これら化合物の腎疾患治療薬としての有用性を検討することを目的としている。現在、berberine、palmatine、coptisineがCK2活性を及ぼす影響を検討しており、今後さらなる検討を進める予定である。また、berberine、palmatine、coptisineがtransient receptor potential(TRP)チャネルに及ぼす影響を検討し、palmatineがTRP vanilloid 1(TRPV1)活性化能を有することを明らかにした。現在、palmatineがTRPV1を介して糸球体上皮細胞、メサンギウム細胞の細胞機能に及ぼす影響を検討している。 その他に、ヒト滑膜線維芽細胞においてHIF-1α依存的にTRP ankyrin1(TRPA1)の機能発現が上昇することを明らかにし、TRPA1活性化により炎症性サイトカインの産生が抑制されることを見出した。 また、様々な抗リウマチ薬がTRPA1活性化能に及ぼす影響を検討し、オーラノフィンがTRPA1を活性化すること、オーラノフィンによるTRPA1の活性化には、621番目、633番目のシステイン残基が重要であることを明らかにした。 さらに、NADPH oxidase阻害薬であるdiphenylene iodonium(DPI)、apocynin、VAS2870、plumbagin、2-acetylphenothiazineがTRPA1活性化能に及ぼす影響を検討し、これらの化合物がTRPA1を活性化すること、DPIによるTRPA1活性化には621番目のシステイン残基が重要であることを明らかにした。
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