2012 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスによる脱髄型ギラン・バレー症候群の新規標的分子の同定
Project/Area Number |
23790976
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
澤井 摂 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10400962)
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Keywords | ギラン・バレー症候群 / プロテオーム解析 / 神経免疫学 |
Research Abstract |
本研究は、プロテオーム解析の手法を用いて、脱髄型ギラン・バレー症候群(GBS)における自己免疫の標的分子を同定し、病態の解明とそれに基づく新規治療法の開発を目的とする。これまでの知見から、脱髄型GBSの標的分子は末梢神経ミエリンの構成蛋白質ではなく、Schwann細胞外層表面に発現する蛋白質であると予想されるため、Schwannomaの細胞株から抗原蛋白質を抽出し、そこから標的分子を探索した。 これまでの研究では、Schwannoma培養細胞から抽出した蛋白質を2次元電気泳動法で展開し、脱髄型GBS 5症例の患者血清中IgGと免疫反応する抗原候補蛋白質をWestern Blottingにより評価し、反応のみられた抗原蛋白質を、質量分析計とデータベース解析で431個同定した。それらの蛋白質の中から、これまで報告されているその蛋白質の機能、Schwannoma培養細胞内での局在情報、GBS発症に係わる先行感染の起因病原体別の解析から、脱髄型GBSの抗体標的分子を3つの蛋白質にまで絞り込んだ。これらの抗原を用いて、脱髄型GBS患者血清中IgGとの反応を検証し、脱髄型GBS 22症例中7症例(32%)で抗体陽性となる抗原候補蛋白質を認めた。この蛋白質に対する自己抗体は、正常対照や軸索型GBSではほとんど認めないことから、脱髄型GBSの病態に、特異的に関連する可能性が示唆された。Schwannoma細胞の蛍光免疫染色で、患者血清が抗原候補蛋白質の存在部位を認識することを確認し、その局在から髄鞘化に関連することが示唆された。
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[Journal Article] Pentanucleotide repeat-primed PCR for genetic diagnosis of spinocerebellar ataxia type 312012
Author(s)
Ishige T, Sawai S, Itoga S, Sato K, Utsuno E, Beppu M, Kanai K, Nishimura M, Matsushita K, Kuwabara S, Nomura F.
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Journal Title
J Hum Genet
Volume: 57(12)
Pages: 807-8
DOI
Peer Reviewed
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