2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規HTRA1点変異ヘテロ接合体における脳小血管病の病態機序の解明
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23790983
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野崎 洋明 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20547567)
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Keywords | CARASIL / HTRA1 / 脳小血管病 / dominant negative |
Research Abstract |
High temperature requirement serine peptidase A1 (HTRA1)遺伝子変異のホモ接合体は,そのプロテアーゼ活性の低下によって,劣性遺伝性脳小血管病であるcerebral autosomal recessive arteriopathy with subcortical Infarcts and leukoencephalopathy (CARASIL)を引き起こす.我々は本邦におけるCARASIL患者の頻度調査の過程で,70歳未満で,多発性皮質下梗塞と広汎な大脳白質病変を呈し,最も頻度の高い遺伝性脳小血管病であるcerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy (CADASIL)の原因遺伝子であるNotch-3の変異が否定された41例を対象として,HTRA1の塩基配列解析を行ったところ,4例(9.8%)で既報のないHTRA1遺伝子のミスセンス変異をヘテロ接合体で見出した.これまでの報告で,ほとんどタンパクを産生できないナンセンス変異型HTRA1であっても,そのヘテロ接合体は脳小血管病を発症しないことがわかっている.このことから,HTRA1変異のヘテロ接合体の発症機序を検討する場合,変異型HTRA1のプロテアーゼ活性低下以外の機序を考える必要があった.本研究では,ヘテロ接合体で発症する変異型HTRA1は,自身のプロテアーゼ活性の低下に加えて,正常アリル由来の野生型HTRA1のプロテアーゼ活性を阻害することを明らかにした.また,その機序として,変異によって,HTRA1の3量体形成能を阻害するものと,3量体形成能は保たれるが,HTRA1のプロテアーゼ活性獲得機構を阻害するものがあることを明らかにした.
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Research Products
(4 results)