2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23790991
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
出口 健太郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (80467753)
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Keywords | ゼラチン多孔体 / 軸索伸長阻害因子 / 軸索伸長促進因子 / 脳梗塞 / 血管新生 / ペリサイト |
Research Abstract |
脳梗塞では、急性期を過ぎるとその病巣部において多くの細胞が壊死に陥り、非可逆的な機能障害を残すため、慢性期の脳梗塞治療では、組織再構築の見地からの検討が求められる。そのためには組織を構築するための細胞、足場、栄養因子の供給が必要となる。これまでの検討で、多孔質生体材料であるゼラチン-GPSMを脳損傷部位に埋入した際に、孔内にアストロサイト、血管内皮、ミクログリアによる新生組織の形成を確認したが、神経細胞は認められず、軸索伸長も限られていた。脳梗塞病変周囲に発現する軸索伸長関連因子の関与が考えられたため、昨年度はラット脳梗塞モデルにおいて、tPAならびにedaravone投与も含めてその因子の発現について検索した。脳梗塞発症4日後に軸索伸長関連因子であるneurocan、semaphoring 3A、Nogo receptor、GAP43、DCCの発現を免疫染色とウエスタンブロットで検討し、edaravone投与群において梗塞巣周囲に今回検討した全ての軸索伸長関連因子の発現の増強を認め、tPA群で低下した。これらの因子は、軸索伸長阻害もしくは促進作用だけでなく、梗塞後組織修復への関与が示唆され、さらにtPAによる神経毒性ならびにedaravoneによる梗塞後脳の軸索再生の関与が推定された。ゼラチン多孔体による慢性期脳梗塞再生医療を行う上で、各種因子の発現のコントロールのタイミングをさらに検討する必要があると考えられた。本年度は、脳組織新生に欠かせない血管新生について、ペリサイト(血管周囲細胞)に注目して、tPAならびにedaravone投与も含めてラット脳梗塞モデルで検討した。edaravone投与によりペリサイトは増加し、tPA投与により減少し、ペリサイトは血液脳関門の機能の維持ならびに血管新生の活性化に関与していることが推定された。
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Research Products
(4 results)