2011 Fiscal Year Research-status Report
血族婚のあるパーキンソン病におけるオート接合性マッピング
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23791003
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
李 元哲 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (40549292)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / オート接合性マッピング / 血族婚 / 劣性遺伝性PD |
Research Abstract |
パーキンソン病(PD)はアルツハイマー病に次いで罹患率の高い神経変性疾患であり、その原因は不明で、根本的治療法も確立してはいない。PDの多くは孤発性(SPD)であるが、その5-10%に家族性パーキンソン病(FPD)が存在する。現在FPDの原因遺伝子としてalpha-synuclein、parkin、UCH-L1、PINK1、DJ-1、LRRK2、ATP13A2などが同定・単離されており、SPDの発症機序解明の有力な手掛かりとなっている。そのため新規原因遺伝子の同定は、PDの発症機序解明に重要な知見を与えると考えられる。これまで研究代表者は既知の原因遺伝子変異を認めないPD症例群から血族婚があり且つ同胞発症者が2人以上存在する14家系(22症例)を選出しSNPsチップを用いてオート接合性マッピングを行ってきた。その結果4家系において1番染色体に共通のオート接合性領域を見出した。本領域にFPDの新規原因遺伝子が存在することが示唆され、本研究において候補遺伝子解析を進めた。1、SureSelectを用いてターゲット・エンリッチメントの実施によりコーディング領域のみを精製することが出来た。2、次世代シークエンサーにより候補領域の塩基配列解析を行った。その結果約1000万本の75 merリード配列を解読し、候補遺伝子の約94%の配列情報を取得した。3、ヒトゲノムデータベースとのホモログ解析により、7箇所の1塩基置換1箇所の1塩基挿入を同定した。4、サンガー法に基づくキャピラリシークエンスにより変異の再現性が確認された。さらに候補変異が単なる遺伝子多型であることを排除する必要があるため、多数の健常者において候補変異の有無を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
候補領域を濃縮・精製し、次世代シークエンサーを用いて候補遺伝子を網羅的に解析し、全コーディングエクソンの約94%の配列情報を取得できた。またヒトゲノムデータベースとのホモログ解析により、7箇所の1塩基置換1箇所の1塩基挿入を同定し、サンガー法に基づくキャピラリシークエンスにより変異の再現性が確認されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
病的変異候補について健常者に同じ変異の有無を確認し、単なる遺伝子多型を除外する。見出された候補遺伝子についてFPD 600家系を対象に遺伝子変異解析を行い、病因変異であるかを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費:研究に必要な遺伝子解析用試薬(PCR用試薬、シークエンス用試薬、プラスチック消耗品)の購入費用。旅費:ASHG(11月), MDSJ(10月)において研究成果発表にかかる旅費。その他:通信費、印刷費、英文校正等投稿料などの経費。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] PLA2G6 variant in Parkinson’s disease.2011
Author(s)
Tomiyama H, Yoshino H, Ogaki K, Li L, Yamashita C, Li Y, Funayama M, Sasaki R, Kokubo Y, Kuzuhara S, Hattori N.
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Journal Title
J Hum Genet.
Volume: 56(5)
Pages: 401-403
DOI
Peer Reviewed
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