2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体イメージングによるメタボリックシンドロームの病態と新規バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
23791016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長崎 実佳 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70456135)
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Keywords | 共焦点顕微鏡 / メタボリック症候群 / 免疫異常 / リモデリング / 脂肪組織 |
Research Abstract |
慢性炎症という病態は、生体内における細胞間ネットワークの破綻が本態と考えられ、単一の臓器や細胞種の異常から全てを説明することはできない。その為、従来の単一培養細胞を用いた遺伝子からのアプローチでは、細胞ネットワークのメカニズムを明らかにすることは難しかった。申請者は、近年ニポウ式レーザー共焦点顕微鏡、さらに二光子レゾナンス顕微鏡を生体に応用し、「生体内で細胞を”みて””知る”」生体内分子イメージング手法を開発し、メタボリックシンドロームにおいて、肥満内臓脂肪の局所で慢性炎症を背景に異常な細胞間相互作用が生じている事を明らかにしてきた。 その過程で、LPA(リゾホスファチジン酸)の生合成酵素であるオートタキシンが、脂肪組織における脂肪細胞分化と肥大に関わることを、オートタキシンヘテロノックアウトマウス、トランスジェニック過剰発現マウスを用いて証明した。また、血清オートタキシンが肥満病態では、低下することのメカニズムを解明し、肥満患者における血清オートタキシン値は、メタボリック症候群の診断に有用であることを示した(論文査読中)。 これらの研究過程において、生体イメージング手法を積極的に取り入れ、分子生物学とのすりあわせを行うことで生体内の多様な病態メカニズムを明らかにしている。例えば、血栓形成の過程には血小板だけでなく、各種炎症性細胞(マクロファージ・リンパ球)や血管内皮細胞とその障害、局所の血流動態が関わっている。このような多細胞からなる複雑病変とそのダイナミクスが病態の本質であるが、今まで生体内で検討する手法は存在しなかった。長崎らのイメージング手法では単一血小板をはじめて生体内で可視化することに成功しており、血栓形成過程における多細胞のダイナミクスを明らかにしている。
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[Journal Article] In vivo imaging visualizes discoid platelet aggregations without endothelium disruption and implicates contribution of inflammatory cytokine and integrin signaling.2012
Author(s)
Nishimura S, Manabe I, Nagasaki M, Kakuta S, Iwakura Y, Takayama N, Ooehara J, Otsu M, Kamiya A, Petrich BG, Urano T, Kadono T, Sato S, Eto K, Nagai R.
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Journal Title
Blood
Volume: 119(8)
Pages: e45-e56
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Adipose Natural Regulatory B Cells Negatively Control Adipose Tissue Inflammation Associated with Obesity (Featured Reserach Session)2013
Author(s)
Nisimura S, Nagasaki M, Manabe I, Eto K, Yamashita H, Komuro I, Nagai R Nagasaki M, Nishimura S, Manabe I, Uno K, Yamashita H, Nagai R, Sugita J, Nishimura S, Nagasaki M, Nagai R, Komuro i
Organizer
第77回日本循環器学会学術集会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
20130315-17
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