2011 Fiscal Year Research-status Report
次世代シークエンサーによる脂肪細胞特異的な転写制御調節機構の研究
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23791020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
脇 裕典 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00466765)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | FAIRE / クロマチン / PPARg / 脂肪細胞 / 転写 / クロマチン免疫沈降 / 次世代シークエンサー / NFI |
Research Abstract |
3T3-L1 におけるPPARγ、RXRαのChIP-seq によるゲノムワイド解析では、全ゲノム上でそれぞれ31,951箇所、22,928箇所の結合領域を同定、そのうち19,568箇所の重なりがあり、ヘテロダイマー形成を示唆した。マイクロアレイ解析において脂肪細胞分化で誘導される遺伝子が濃縮されていた。オープンクロマチンを検出するFAIRE-seqの手法を確立し、脂肪細胞のゲノム上の転写制御領域の同定を試みた。3T3-L1脂肪細胞(分化前、後)において、非プロモーターFAIREピークはエンハンサー型のヒストン修飾を持ち、イントロンなどゲノム上に幅広く分布していた。プロモーター領域に対し、非プロモーターFAIREピークは細胞種や分化により大きく変化し、分化に伴い強く誘導される遺伝子の周囲には、複数の脂肪細胞特異的FAIREピークがクラスターを形成して存在した。AdipoR2遺伝子領域では従来の方法で同定されなかった遠位エンハンサーを同定した。一方、脂肪細胞特異的FAIREピークのモチーフ解析では、PPARγやC/EBPに加えて転写因子NF-Iファミリーの結合配列が濃縮していた。ChIPアッセイではNFIが、PPARγやC/EBPα、aP2近傍の脂肪細胞特異的制御領域に存在し、3T3-L1細胞におけるNFIAの過剰発現ではこれらの遺伝子が誘導され、分化誘導刺激前に脂肪滴形成を認めた。一方ドミナントネガティブ型NFIAの過剰発現やNFIA・NFIBのノックダウンにより脂肪細胞分化が抑制され、これらの因子の生理的な役割が示唆された。FAIRE-seqは細胞特異的な転写制御領域のゲノムワイド解析と新規制御因子の同定に有用であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画におおむね基づいて研究が進行し、進捗が得られた。一部データについては論文化し公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に基づいて、平成24年度も引き続き研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度も引き続き、主として研究遂行に必要な消耗品と学会参加のための旅費に支出する予定である。
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Research Products
(7 results)