2011 Fiscal Year Research-status Report
カロリー制限、肥満、糖尿病アカゲザルの次世代シークエンサーを用いた解析
Project/Area Number |
23791027
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北本 綾 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教務補佐員 (30381627)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | アカゲザル / 次世代シーケンス / 肥満 / 2型糖尿病 / メチル化 |
Research Abstract |
正常(非肥満、非糖尿病)のアカゲザル8個体の骨格筋、5個体の肝臓、1個体の腎臓の計14個体からゲノムを抽出した。肥満で2型糖尿病のないアカゲザルの3個体の骨格筋、1個体の肝臓の計4個体からゲノムを抽出した。2型糖尿病のアカゲザルの6個体の骨格筋、3個体の肝臓、1個体の腎臓、5個体の脾臓、1個体の心臓の計16個体からゲノムを抽出した。正常、肥満、2型糖尿病のそれぞれアカゲザルから、糖代謝の中心的役割をしている骨格筋、肝臓、腎臓からゲノムを得ることが出来た。ヒトで標準的に使用されているリンパ球が多く含まれる脾臓からのゲノムも得ることができ、アカゲザルの全ゲノム解析とエピゲノム解析のためのサンプルを収集することができた。次世代シークエンサーの技術確立のため、まず方法が確立しているヒトで予備実験を行った。健康人のゲノムを用いてペアエンドとメイトペアでシークエンスを行った。実験条件をいくつか変えて、シークエンスの技術を確立した。既存のソフトウエアを用いて、アライメントや多型解析など解析が出来ることを確認した。メチル化解析のためにはバイサルファイト処理が必要である、バイサルファイト処理の予備実験を、やはり方法が確立しているヒトサンプルでおこなった。ゲノムのバイサルファイト処理を行い、アレイを用いてDNAのメチル化解析を行った。バイサルファイト処理の実験条件を確立した。本年度は必要なアカゲザルの組織のゲノムの収集と次世代シークエンス、メチル化解析の予備実験を行い、本実験の研究体制を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代シークエンサーはこれまでのシークエンスとは異なり、技術的な修得が必要である。今年度に入り本研究室も次世代シークエンサーを使用できるようになったので、予備実験を行った。予備実験はかなりいい結果が出ており、技術的な問題は順調にクリアされている。サンプルも正常、肥満、2型糖尿病の様々な組織からゲノムを採取することが出来、シークエンスにかかる時間(前処理も含めて、1サンプル1ヵ月以上)を考慮すればおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シークエンサーは前理を含めて、実験過程だけでもかなりの時間を要する。解析も含めると1回のシークエンスで数カ月はかかる。サンプルの数量は充分あるので優先順位を決めて行っていく予定である。まずは、ゲノムの量の多い肝臓のゲノムで正常と2型糖尿病のアカゲザルの全ゲノム解析を行う。次に、全ゲノム解析を行ったゲノムをバイサルファイト処理を行いシークエンスし、メチル化解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次世代シークエンサーの試薬(約100万円)で、>20xカバレッジで4サンプル分シークエンスできるので、糖尿病と正常のアカゲザルの骨格筋のゲノムの全ゲノム配列を1匹分ずつ行う。シークエンスが成功すれば、同じサンプルをバイサルファイト処理し、同様に全ゲノムシークエンスを行う。糖尿病で骨格筋のゲノムのメチル化が正常と異なる部位を検索する。糖尿病に特異的なメチル化部位が見つかれば、その部位に関して、今年度に精製した全てのサンプルをバイサルファイト処理し、キャピラリーシークエンサーでシークエンスする。バイサルファイト処理とキャピラリーシークエンサーの消耗品費に約30万円をあてる。糖尿病、肥満、正常で骨格筋、肝臓、腎臓でメチル化に違いがあるか検討する。約10万円を用いて、同定された遺伝子の組織分布の検討、糖尿病、肥満、正常での発現の違いなどを検討する。旅費(学会出席、発表)に約10万円をあてる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Association between type 2 diabetes genetic susceptibility loci and visceral and subcutaneous fat area as determined by computed tomography.2012
Author(s)
Hotta K, Kitamoto A, Kitamoto T, Mizusawa S, Teranishi H, So R, Matsuo T, Nakata Y, Hyogo H, Ochi H, Nakamura T, Kamohara S, Miyatake N, Kotani K, Komatsu R, Itoh N, Mineo I, Wada J, Yoneda M, Nakajima A, Funahashi T, Miyazaki S, Tokunaga K, Masuzaki H,Ue
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Journal Title
J Hum Genet.
Volume: 57(5)
Pages: 305-10.
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Genetic variations in the CYP17A1 and NT5C2 genes are associated with a reduction in visceral and subcutaneous fat areas in Japanese women.2012
Author(s)
Hotta K, Kitamoto A, Kitamoto T, Mizusawa S, Teranishi H, Matsuo T, Nakata Y, Hyogo H, Ochi H, Nakamura T, Kamohara S, Miyatake N, Kotani K, Komatsu R, Itoh N, Mineo I, Wada J, Yoneda M, Nakajima A, Funahashi T, Miyazaki S, Tokunaga K, Masuzaki H, Ueno T
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Journal Title
J Hum Genet.
Volume: 57(1)
Pages: 46-51.
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Computed tomography analysis of the association between the SH2B1 rs7498665 single-nucleotide polymorphism and visceral fat area.2011
Author(s)
Hotta K, Kitamoto T, Kitamoto A, Mizusawa S, Matsuo T, Nakata Y, Hyogo H, Ochi H, Kamohara S, Miyatake N, Kotani K, Komatsu R, Itoh N, Mineo I, Wada J, Yoneda M, Nakajima A, Funahashi T, Miyazaki S, Tokunaga K, Masuzaki H, Ueno T, Chayama K, Hamaguchi K
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Journal Title
J Hum Genet.
Volume: 56(10)
Pages: 716-9
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Association of variations in the FTO, SCG3 and MTMR9 genes with metabolic syndrome in a Japanese population.2011
Author(s)
Hotta K, Kitamoto T, Kitamoto A, Mizusawa S, Matsuo T, Nakata Y, Kamohara S, Miyatake N, Kotani K, Komatsu R, Itoh N, Mineo I, Wada J, Yoneda M, Nakajima A, Funahashi T, Miyazaki S, Tokunaga K, Masuzaki H, Ueno T, Hamaguchi K, Tanaka K, Yamada K, Hanafusa
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Journal Title
J Hum Genet.
Volume: 56(9)
Pages: 647-51
DOI
Peer Reviewed
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