2012 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおけるマクロファージサブセット制御機構の解明
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23791041
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
元山 宏華 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 病院講師 (80382068)
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Keywords | 動脈硬化 / マクロファージ / 糖尿病 |
Research Abstract |
① メタボリックシンドロームおよび動脈硬化におけるマクロファージ集団形成を理解するために、2011年の実験では動脈硬化モデルマウスを用いてマウス腹膜炎誘導マクロファージ集団を解析し、炎症性マクロファージであるM1および抗炎症性マクロファージであるM2の複数のマクロファージが惹起され相互作用している可能性が示唆されたが、2012年ではこれらの制御にADAMなどのメタロプロテアーゼが関わっていないか解析を行った。腹膜炎誘導マクロファージは、細胞表面にADAM17の発現が誘導されており、誘導前後ではケモカインレセプターであるCX3CR1が低下しており炎症性マーカーであるCX3CR1がADAM17による制御受けている可能性が示唆された。 ② ①での研究成果を基に、2011年に引き続きヒトにおいて糖代謝異常を認める患者の末梢血単球を採取し、単球のサブセットパターンをマウスと同様にフローサイトメトリーを用いて解析を行った。 既報通りヒトの末梢血単球には主にCD14++CD16-とCD14+CD16+の二種類の単球サブセットが存在し、CD14+CD16+単球はCX3CR1が高発現しておりM1マクロファージと近い性質を持っていると考えられた。 2型糖尿病患者149名(年齢61.7±13.5歳)の患者の解析において、CD14+CD16+細胞数やCD14+CD16+/CD14++CD16-比は動脈硬化指標である脈波伝播速度(PWV)および、血流依存性血管拡張反応(FMD)と関連することが示唆された。また、CD14+CD16+に対して年齢、血圧およびHDL-Cが独立した寄与因子であり、人の動脈硬化におけるマクロファージ集団形成の臨床的な制御因子が示された。これらの研究成果を2013年糖尿病学会、および米国糖尿病学会で発表予定である。
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