2012 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期の膵β細胞増殖におけるセロトニンシグナルの役割の解明
Project/Area Number |
23791064
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
豊福 優希子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (70598078)
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Keywords | 妊娠 / 膵β細胞 / セロトニン |
Research Abstract |
本研究を申請した際の目的として、妊娠期の膵β細胞増殖に関与するセロトニンシグナルとして、以前、共同研究によって報告した5-HT2b受容体の他に、肺高血圧症での肺動脈血管平滑筋細胞の増殖に関与するシグナルであると言われている5-HT1b受容体とSERTを介してERKを活性化させるシグナルが関与しているのではないかということを仮説として挙げた。昨年度までの検討で、妊娠期における5-HT1b受容体とSERTの発現変化について検討を行ったところ、5-HT1b受容体は、妊娠14.5日目をピークに膵β細胞増殖能と同期する発現量の変化を認め、SERTについては妊娠期間を通じて安定的な発現量を認めていた。そのため、膵β細胞内でも5-HT1b受容体とSERTを介したERK活性化による細胞増殖が起こっている可能性が示唆された。 そこで、5-HT1b受容体、SERTのアンタゴニストが膵β細胞増殖能および膵β細胞量に影響を及ぼすのか否かを確認するため、妊娠マウス母体への5-HT1bとSERTのantagonist投与実験を細胞増殖がピークとなるdpc12.5で解析・検討を行った。その結果、5-HT1bとSERTの各アンタゴニスト投与した妊娠マウス母体の膵島での細胞増殖率がコントロールと比べてともに2割ほど減少していることが確認された。この結果から、このシグナルが妊娠時の膵β細胞量調節に関与している可能性が期待されたが、アンタゴニスト投与による膵β細胞量の変化を確認することには至らなかった。今後、さらに詳細な検討を行なっていきたいと考えている。
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Research Products
(2 results)