2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791071
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮城 聡 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20400997)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / クロマチン / 転写制御 / 胸腺細胞分化 |
Research Abstract |
ヒストンアセチル化酵素 (Histone acetyltransferase; HAT) は造血細胞の増殖・分化に重要な役割を果たす。我々は、新規のクロマチン因子である BRD1 がMYST ファミリーの HAT である HBO1のコファクターとして機能し、この複合体による赤血球系転写因子のプロモーター領域のヒストンH3K14のアセチル化 (H3K14Ac) が赤血球分化に重要な役割を果す事を明らかにした。しかし、Brd1 欠損赤芽球では H3K14Ac が特異的に減少するのに対して HBO1 をノックダウンした赤芽球ではH4Ac も減少する。従って、BRD1-HBO1複合体が H3HATとして、既知のJADE1-HBO1複合体がH4HATとして機能すると考えられる。よって、HBO1はBRD1より広範な生物学的な機能を有する事が想定される。本研究では、BRD1とHBO1 のコンディショナルノックアウトマウス(cKO)の比較解析を通じて、HBO1の造血組織における役割とそのコファクターによる機能制御機構を明らかにする。本年度、胸腺におけるBrd1cKOの解析が順調に進行し、Brd1がCD4+CD8+ (DP) への分化及びにCD8+(CD8SP)への分化に重要な役割を果たすことを明らかにした。また、Brd1cKOでは、通常では存在しないTCRβlowのCD4+(CD4SP)が蓄積することを見いだした。マイクロアレイ解析の結果、この細胞集団の発現プロファイルはDPと酷似しており、表面抗原の発現上はCD4SPであるが、DPであると考えられる。従って、Brd1はCD8の発現活性化に働くことが予想される。現在、ChIP等により、この可能性の検証を進めている。一方で、Hbo1cKOに関してはマウス系統が作成出来なかったため、ノックダウン解析により造血細胞における機能解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Brd1cKOの解析が順調に進行し、胸腺細胞におけるBrd1の機能を明らかにしつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、胸腺細胞におけるHbo1の機能及びにBrd1-Hbo1複合体の作用機序について明らかにする。Hbo1の機能に関しては、上述のように研究計画を一部変更し、ノックダウン解析を進めている。また、作用機序の解析に関しては、CD8遺伝子がモデルとなり得ることを本年度明らかにしており、この遺伝子座を標的としたChIP解析等を進めている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、物品費に1,200,000円、旅費に300,000円、間接経費に450,000円の使用を予定している。
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Research Products
(5 results)