2011 Fiscal Year Annual Research Report
In vivoスクリーニングによるB細胞リンパ腫関連がん遺伝子解析
Project/Area Number |
23791096
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
本間 圭一郎 愛知県がんセンター(研究所), 遺伝子医療研究部, 主任研究員 (20505945)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
|
Keywords | B細胞リンパ腫 / 機能的スクリーニング / cDNAライブラリー |
Research Abstract |
本研究の全体構想は、B細胞リンパ腫形成に関わる遺伝子をcDNAライブラリーを用いたin vivoスクリーニングによって明らかにすることである。特に、多くの悪性リンパ腫において異常活性化が認められるNF-κBと協調的にリンパ腫形成に作用する遺伝子、シグナル伝達系を明らかにし、臨床応用可能な分子標的治療へ発展するための研究基盤を確立することを目的としている。この目的のために、B細胞性リンパ腫からcDNAライブラリーを作製し、このライブラリーを恒常的活性化NFkBとともに正常B細胞に遺伝子導入し、マウスへの移植後の造腫瘍性を指標にcDNAライブラリーをスクリーニングしてリンパ腫発生に必須の遺伝子を同定して行く。 この際に重要な点は、リンパ腫の正常対応細胞である末梢B細胞に恒常的活性化NFkBとともにcDNAライブラリーを導入することである。しかしながら現時点でこのことを可能にする有効な手段が報告されていない。そこで本年度は、末梢B細胞にレトロウイルスにより遺伝子を有効に導入する方法の開発に力点を置いた。研究代表者は、マウスの未分化プロB細胞にレトロウイルスで遺伝子導入する方法を確立しているので、この細胞をin vitroで末梢B細胞に分化させる方法を試みた。まず、CD40リガンドと液性因子BAFF,CXCL13を分泌するストローマ細胞を樹立した(3T3/CD40L/BAFF/CXCL13)。プロB細胞に遺伝子を導入し、同細胞を3T3/CD40L/BAFF/CXCL13と共培養し,さらに抗IgM抗体でB細胞受容体を刺激することによりIgG陽性の末梢B細胞に分化させることに成功した。Bcl6をプロB細胞に導入しておくと効率が上がった。 以上より、末梢B細胞に任意の遺伝子を発現させる系が樹立できたので、今後はcDNAライブラリーの機能的スクリーニングに移行したい。
|